そして、もうひとつ。
『戦国美麗姫図鑑』
いや、凄い題です(笑)。
こちらは平積みではなく背表紙だけでしたが、さきの『歴女』に連動してか、そう離れた場所になかったのですぐ目に入りました。
で、試しに抜き出してみると表紙がまた凄かった…。
こちらをご覧ください。
『戦国美麗姫図鑑』(著・橋場日月、編・戦国萌姫研究会、PHP研究所)
http://mainichi.jp/enta/mantan/graph/book/20090611/
○内容紹介
戦国時代の姫君100人を史料をもとに現代の絵師たちが美麗にビジュアル化! 絶世の美女、無敵の女将、智略の才女…
強く、儚く、美しい彼女たちの出身地、生没年、家柄、登場史料などのプロフィールを網羅!!
武将にくらべあまり知られていない姫たちの秘話、逸話やトリビアも紹介!
歴史ファンも資料としておさえておきたい一冊です。 収録の姫君たち(一部)
瀬戸内のジャンヌダルク/大祝鶴姫 愛され出戻り娘/伊達五郎八 歌舞伎になった美しき姫/武田 菊 愛と憎しみの逃避行/北条院殿 太閤最愛のセレブ姫 前田 豪 不遇の夫を支える賢妻/大谷竹林院 他
カバーイラストは笠井あゆみ先生の萌バージョンが見参!!美麗ピンナップつきです。
絶世の美女、無敵の女将、智略の才女…。史実、伝説に記された武辺、美貌の姫君たち。出身地、生没年、家柄、登場史料などのプロフィールを網羅。姫君たちの秘話、逸話やトリビアを紹介。
と、色々とインパクト(疑問)あるコピーが並びます。
大三島の大祝の娘がジャンヌダルクと比べられるという超越の比較視点には驚きました。
そもそも、出身地や家柄で「強く儚く美しく」ってされてしまうのはどうかと。
サラリと書いてますが、ピンナップ付きの歴史ムック本。
PHPが出しているというのもちょっと意外でしたが。
中身は、右ページにそれぞれの姫の逸話や系譜の紹介。左ページにイラスト(それぞれ異なる作家が描いている)。
一つの見開きにつき一人を扱っています。
文章の方は歴史雑誌などでコラムなど執筆をされている方のようで、内容は特に奇をてらったものはありませんでした。
今川氏真に嫁いだ北条氏康の娘(早川殿)も載っていたのには、ちょっと感心しましたけど。
新紀元社の「Truth In Fantasy」シリーズを萌系イラスト(?)で構成してみたら…、というところでしょうか。
当世の“萌え”に相当するスタイルが分からないので判別できませんが、たぶん若い男性を主なターゲットにしているのかと思われます。
ただ、キャラクター描写は時代考証を気にしてないというか、殆どファンタジーです。
ゲームキャラのようなのを想定して描いているのかもしれません。
こちらでも若干の紹介がされています。
http://news.walkerplus.com/2009/0612/12/
どういう反響があるのか試しにアマゾンでレビューを見ましたら、意外と好評価。
まあ、イラスト中心な本かと思ったら以外に真面目な内容だった、というギャップがそう印象付けてるのかもしれません。
そしてさらに、“この商品を買った人はこんな商品も買っています”の欄を見ると、こんなのも。
『戦国“漢(おとこ)”絵巻 (コミック)』(編・学習研究社)
http://www.gakken.co.jp/moegi/special/soe0906.html
○内容紹介
描き下ろしイラスト満載で詳細解説。戦国武将プロフィールブック37人。萌えるエピソード&4コマ掲載。聖地巡礼のお供に、ゆかりの地紹介。本格歴史ライターによる解説&甲胄作り収録。
上の本の武将版ってトコでしょうか。
こちらはコミックスの体裁で学研から。
大手ばっかじゃないか(笑)。
あと、他にもこんなのないもんかと適当にポチポチしてましたら…
こんなのも(笑……汗)。
『イケメン戦国武将忠義編 (SESAME BOOKS) (コミック) 』(著・男前戦国武将研究会、ゴマブックス)
(ほかに『情愛編』『友情編』あり)
http://kimasas.exblog.jp/11827743/
○内容紹介
信長と利家の、愛が濃すぎる忠義関係(池上小五)
三献茶の真実~三成の機転がピンチを救う!?(大竹直子)
家康の危機を救った伊賀忍者・服部半蔵(武浦すぐる)
鉄砲に怯えた幼少の北条氏康(冨永逸生)
大友宗麟を友として支える立花道雪(宮明睦恵)
銃に散った三好義賢(ALFRED少尉)
九度山で幸村への忠誠を確認する猿飛佐助―(屍のぼる)
第六天ニャ王 ノブニャガと部下の日常(ここなっつ)
まあ、内容はBL(たぶん肉体的なのより精神的なものが主流かと)のアンソロジーコミックスなのだと思いますが。普通に。
一応、歴史上人物をネタにしているのだから、大荒れはしていないのではないかと想像。
それよりなにより、タイトルが開き直りすぎ(笑)。
編集者さんの勇気にひとまず拍手しておきましょう。
今まではサブカル系な戦国ムックって、城の復元イラストとか戦史的(どれも執筆者の主観がかなり入ってそうな印象…嫌いでないですが)な内容満載な学研の『歴史群像』あたりが独走してた感じしますが、そういうのは専ら若い男子が購読していたと想像します。
入口の広さは、初期の『歴史群像』の方が『ムー』らしさあったりで、サブカル系雑誌としての面白さはあったと思うのですけどね。
歴史ミステリーなるじゃんるも定着している今では、その辺一線引く事になってしまいそうですが。
さて、こういうブームを見ていると、そろそろ女性向けな歴史雑誌も出たりして??なんて気もします。
あ、また横道に逸れ過ぎてしまった・・・
それは置いといてと。
『戦国美麗姫図鑑』を手掛けた「戦国萌姫研究会」、そして
『イケメン戦国武将』を手掛けた「男前戦国武将研究会」。
どちらも語呂をダブらせないあたりに遊び心を感じます。
興味深く感じたのは、上の本は皆今年の6月から7月の間にかけて発売されたという点。
タイミングになにか意味があるのでしょうか?
さて、時代の奇書となるか黄書となるか。
ま、同人誌やマンガのカテゴリーでは珍しくもなんとも無いんだろうけど。
来年あたり古書店の100円コーナーにあったら記念に買うかもしれない。
(手がけた方には失礼な事言って申し訳ありません)
絵柄はどれも余りタイプではないのです。
個人的には山口将吉郎さんの武者絵なんかが好きなのです。
あと、男色趣味があったと噂される高畠華宵さんの絵なんかは今でも色気を感じます。今の人に受けるか分かりませんが。
華宵美人と言われるだけあり女性絵(独特の風貌より細密な着物などの描写が美しいと思う)が多いですが、男子の絵もあり、大変艶めかしいです。
http://www.amazon.co.jp/%E9%AB%98%E7%95%A0%E8%8F%AF%E5%AE%B5%E3%83%BB%E7%BE%8E%E5%B0%91%E5%B9%B4%E5%9B%B3%E9%91%91-%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%83%A8/dp/4582633889/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1246642051&sr=1-1
こんなの(↓)にも収録されてそう。
http://www.amazon.co.jp/%E6%98%AD%E5%92%8C%E7%BE%8E%E5%B0%91%E5%B9%B4%E6%89%8B%E5%B8%96-%E3%82%89%E3%82%93%E3%81%B7%E3%81%AE%E6%9C%AC-%E4%B8%AD%E6%9D%91-%E5%9C%AD%E5%AD%90/dp/4309727298/ref=pd_sim_b_4
ま、それより、中学時代に軽く震えながら(やはり伊勢治書店で)一人立ち読みした雑誌『夜想』や『銀星倶楽部』を読み返してみたい衝動が感じられた今日この頃。(どんなこの頃ですか)
ちなみに私は少年趣味も同性趣味もありませんので悪しからず。
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