カテゴリー「ホラー・不思議・神秘的」の10件の記事

忠犬・たまの墓

開成町での歴史展示会のつづきを一つ。

絵図のほかに興味を抱いたのが、こちら「老犬・多摩の墓」実寸模型。
Dscn1325
実物は、南足柄市の大松寺にある明治時代の墓碑。

裏面に由緒があり、その現代文が前に展示されていました。
その内容はこういうものでした。

明治11年、多摩郡の人が犬を連れて富士登山の帰路、大雄山最乗寺に参詣した。
しかし、犬が疲労して動けなくなってしまい、寺に預かってもらったという。
犬は寺の世話のかいあって元気になり、良い番犬を務めるようになった。
その後、無事主人のもとへ連れて帰されたが、再度お礼に主人が大雄山に参ると、住職から犬を褒められ、もし犬に子供があればもらい受けて飼いたいと申し出があった。
翌年3月、子犬は人に背負われ(主人か使用人かは不明)、馬に揺られてやってきた。
子犬は寺の衆に可愛がられ、中でもよく面倒を見ていた橘氏に懐くようになった。
同年、橘和尚が隠居するとその家に移り住み、よく番犬を務めたという。
しかし、明治21年11月、犬は病にかかってしまう。
和尚は獣医に見せて診察を乞うものの、今度は本人が病に倒れて帰らぬ人となってしまった。
犬は看病のかいなく、11月25日、主人の後を追うように亡くなったという。
犬は、忠犬ぶりを讃えられ、信忠と法名を授けられた。

「こんな事があったんですねー」
と展示の横にいた人に言うと、
「渋谷のハチ公よりも昔の話なんだよね」

犬と人との関わり合いの歴史の話も、全国から集めたら膨大な数になるんでしょうね。

南足柄市のたまの墓、そのうち訪問してみたいと思います。

| | コメント (0)

実話怪談 ~錦ヶ浦トンネル・その後~

熱海市の錦ヶ浦トンネルで幽霊と超接近してしまった友人M。

恐怖はそれだけではありませんでした。
その後、金縛りが毎晩続くようになってしまったのです。

金縛りだけでなく、足の方から胸そして首へと人の重さがのしかかってくるというのです。
最後は首を両手で絞められる感覚に。
冷汗びっしょりかいて起きると、時間は必ず3時何分。
あのトンネルで遭遇してしまった時間でした。

さすがに気味悪くなったMは家族に相談したそうです。
が、当時、大学の友達と飲み会が多かったM。
お母さんには寝不足とか飲みすぎ等と本気にしてもらえなかったようです。
ただ、Mのお父さんは、菩提寺の座禅教室や檀家活動によく参加される方でしたので、一応お寺に行くことにしてくれました。

そして次の日曜日の朝、お墓の清掃奉仕にMはお父さんと出かけました。

朝とはいえ夏の日差しは結構きつく、汗をかきながら墓地の草むしりをしながらMは、
(しまった!体よくだまされちまった…)
と思っていたそうです。

住職は
「ごくろうさまです」
とすぐに顔を出しましたが、朝のお勤め(読経)に行ってしまいました。

しかし、その帰り、
「ひと段落ついたみたいだから、お堂で麦茶でも飲みなさい」
と本堂に招かれました。

麦茶を飲みながら、Mはいつ話したらいいものかと見計らっていました。
もしかしたらお父さんの方から切り出してくれるかもと期待しつつ、まだそんな雰囲気では無いかな、と思っていたら。

ふと住職が
「最近何か変わった事ありませんか」
と、Mに話を移してくれました。

ただ、Mはこの言葉はただの社交辞令かと思ってしまい、
「いえ、特に変わりないですけど…」
そして、話を持ち出そうかとしたその時、

「実はさっきからそうなんだけど、君の側に女の人がいるんだよ」
と住職は言い切りました。

「それでね、君の車にひかれたって怒ってるみたいなんだね。ついて来ちゃってる」
「その人なんだけど、洞窟とかトンネルみたいな暗いところで、見なかった?」
とズバリズバリ。

M、再び硬直した瞬間でした(笑)。

あとはもう住職の言を素直にみとめ、恐縮するばかり。

「じゃあ、ちょっとそこに座ってじっとしてなさい」
と、本尊の前で座禅を組まされました。
禅宗のお祓いというものがあるのかどうかは知りませんが、ともかく座禅。
そして、暫く座した後、
「パン!パン!」
と警策(けいさく)の空音が二度。Mの肩に。

「はい。もう大丈夫だから。夜遅くに変な場所に行くもんじゃないよ」

・・・・・・・・・・・


以上がMの話しの全てです。
最初、Mの部屋で酒を飲みながら聞いたときは、彼の目にまだ宿る恐れを私も感じてしまって背筋が寒くなりました。
午前3時前に辞去したのは言うまでもありません。

というのはウソで朝まで飲んでましたけど、ビビッたせいか飲むペースが早まって、翌朝は頭がかなり痛かったのを覚えてます(笑)。

そのご住職も大したものです。
滅多にこういう話はしない方だったらしいですが、長らく本山のK寺におられた方で、徳があり檀家さんにも慕われていたそうです。
この話の一年後くらいに御遷化されました。


Mの車にはお寺のお守りが大事にぶら下がっていました。

ウィンドウごしにかすめ去った女の霊は、じつは飛んでいったのではなく、ガラスを抜けてそのまんま友人に憑いちゃったという事だったんでしょうかね。

ちなみに、有名なので特筆しませんでしたが、トンネルがある錦ヶ浦は自殺の名所として名高く、今までに500人くらいが亡くなっているとか。

その女性は、そんな自殺霊の一人だったのでしょうか。
霊とはいえ、夜のトンネルなんかでうろうろして欲しくないですね。


その後、私も現場に行って見ました。
Mに頼んで助手席に乗って。
それも二度(嫌な野郎です)。昼と夜。

私は特に何も感じませんでした。
ただ、夜といってもまだ交通の量がある9時くらいですけどね。
まあ、ちょっと夜の方が雰囲気はありましたけど。

さすがに午前3時過ぎに行くのは嫌だといって連れて行ってもらえませんでした。

自分が免許取ってからは、一人で何度も通ってますが見てませんね。
愛称とか(笑)いろいろあるのかも知れません。
それとも、ふとした時に黄泉比良坂が口を開けてしまうのでしょうかね。

おんあぼきゃべいろしゃのうまかぼだらまにはんどまじんばらはらばりたやうん

| | コメント (0)

オランダ妻 死体遺棄事件

http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20080902000000000016.htm

紙面ではダッチな妻とは具体的には書いておりませんが、やはりそのようで。

内容的には地方版で十分なお騒がせ事件ですが、やはりどこの編集部もニヤケながら載せちゃったんだろうなあ。
警察タタキでもあるんだろうけど。

で、伊豆の大仁署も「恥ずかしくて山に捨てた身勝手な犯行」とか「偽計業務妨害」コメントしてるようだけれど、ちょっと歯切れ悪そうな感じ。

そりゃ、自慰玩具を遺棄死体と間違えた挙句に記者発表しちゃ格好つかないよね。
DNA鑑定でもするんですかね(笑)。
それで、またぞろ公務員だったりなんかしたら泣くに泣けないね。


でもこれって特に珍しいことでもないんじゃないの?

実は私も買った…
…じゃなくて“遺棄”されてるオランダ妻を見つけちゃったことがある。

近所の曽我山をマウンテンバイクでサイクリングしてた時、谷沢沿いの暗い道を下ってたら、視界の端になんか一瞬見えた。
(え?人?)
って思ってチャリ急ブレーキして、歩いて戻ってみると…。

なんか、道から離れてるので明瞭ではないのだけど、明らかに人。
雑木林の奥の方に白いシャツ着た人みたいなのが足上げて、草の中に横たわってるのね。
この時はホントに死体だと思った。
手前にボストンバックとか色んなゴミが散乱してたし。

それで、気味悪いのと、素人が現場ウロウロしちゃまずいだろという思いで、とりあえず近くの人を呼ぶことに。
幸い5分ほど下ると、キウイ畑に農家のおばさんがいた。
で、カクカクシカジカと死体が捨てられてるよって。
おばさんも気持ち悪がったのだけど、一応、二人でもういちど確認してみようということにした。

確かに、そんな雰囲気な場所なんです。
ちょっと曲がりくねった谷沢で、昼でも薄暗くて。
よく電気製品とかのゴミも捨てられてたり。

そして、あらためて現場へ。
おばさんは結局、「あんた見てきてよ」で遠巻きにしてる。
私もビクビクしながら雑木林に入りましたよ。
何が待ち受けているともしらずに(笑)。

陰になってる繁みを越えて行くと、頭が草の中に隠れて素足の両足が。
ん?
横に線が入ってる…。
よく見れば、体全体が肌色のペンキみたいな色。
あ…(汗)、これは…(汗々)。
「ちょっとー、どうなの?」とおばさん。
バツが悪い。
とりあえず、「マネキンみたいな人形でした。お騒がせしてすいません」と早々に立ち去ってしまった。

しっかりと見ればくたびれたビニールっぽい色とかで分かったはずなのだけどね。
場所の雰囲気(特にボストンバックとか怖すぎ)とか暗さ、そして自分の緊張感が、死体に見せちゃったみたいです。

捨てるなら空気を全部抜いておけっての!
でも、あれも愉快犯だったのかもしれない。趣味悪い。

せめて林の奥で十字架にかけられてたりした方が、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』みたいで少しはアートになったかもしれん。
(うそです。迷惑旋盤いえ千万)

| | コメント (0)

私もギリギリ幽霊画に間に合いました(笑)

921489729_31
すでに何名かがお出かけになられてますように、不肖私めもようやく行って参りました。

思えば『嗤う伊右衛門』の翌年あたりに行こうと思って時期を逃し、昨年もまた行けずに8月が終わってしまったのであります。

幸いなことに31日はカラッと晴れ上がりまして、幽霊画と谷中の寺めぐりをノンビリ楽しめました。

それにしても谷中は迂闊に歩けないところです。
面白そうな墓やお寺がありすぎ。
寄り道で、日暮里駅から幽霊画の全生庵まで1時間もかかってしまいました。

おかげでお気に入りのお寺も見つかりました♪

で、全生庵。
幽霊画ですが、典厩さんも仰っておられるように、やはり何か味気無い・・・。
まあ、展示場では無いから仕方ないのでしょうが。
百物語とかでも一幅を床の間に飾ったりしてたのでしょうから、そういう場の、何と言うか燭台の下照明とかの暗さが似合うのではないでしょうか。

じっと見ていれば確かに情念といった力も感じるのですが、あっさり見ると普通に綺麗な幽霊日本画というか。

それでも伝・円山応挙作の幽霊画は存在感ありました。
超ベタな洗濯ですが、これはインパクト系の怖さではなくて、瞳にちらつく情念がゾクゾクと感じるからです。

歌川芳延の「海坊主」の画も、一見ひょうきんですが、じっと下方の透けている部分を見つめ、景色に溶け込んでいるのに慣れた頃に上を見ると、ホントにヌッとした黒い影があってドキッとします。

あと作者不詳の「還魂香」。
色彩鮮やかで豪華な画です。
これは印刷物では分からないんじゃないでしょうか。

雨中の幽霊や瞽女(ごぜ)の幽霊の画も印象深い作品でした。
後者は水木しげる御大の妖怪本でも知っていたからでもありますが(笑)、瞽女さんってイタコにも通じる所ありますし、聖(ひじり)的な近寄りがたさもあったと思うのです。
そういう人が亡霊となって出るあたり、どうしたんだろうという興味もわきます。
まあ、この絵は三途の川渡りの象徴も入っているようなので、別に怨念かどうかは分からんのですが。

画題は忘れましたが、謡曲『鵜飼』を題材にした作品もありました。
これは石和温泉で初めて知った物語でしたので、ちょっと得した気分でした。

幽霊画展鑑賞後、入口で販売していた「圓朝まつり」の手ぬぐいのイラスト。ちょっと気になりました。
髑髏の画なのですが、どこかで見た気が。
帰宅後、たまたま谷中の文化財めぐりなるパンフを見ていましたら、同じく谷中の臨江寺に、伊藤若冲の髑髏図があるのを知りました。
http://www.taitocity.net/culture/bunkazai/dokuro.htm
有名な絵ですよね。
どこで見たかは覚えていないんですが。
教科書?じゃないですよね・・。
まあ、この髑髏図が手ぬぐいのイラスト原図なのかどうかは定かではありませんが、この作品も機会あれば見てみたいものです。


お昼は谷中銀座前のインド料理で。
その日のランチメニューのほうれん草とチキンのカレー。
「ダージリン」でしたが、まあまあかな。
珍しく写真も撮りませんでした。
でも、こじんまりとして、一人でも食べやすかったです。
芸大の学生さんでしょうか、アート系っぽい若者男女がワイワイしてました。

食後、再び谷中散歩をして上野の護国院へ大黒さん参り。
初甲子以来ですが、縁日でない日は静かでした。
寛永寺塔頭で一番静かにお参りできる所じゃないでしょうかね。
建物も江戸期のものだし、本尊もいつでも拝めますし、何より拝観自由。
というか、勝手に上がって本尊の目前で拝めるこの大らかさが何より好きです。

921489729_122
そして上野博物館コース。
この日は「六波羅蜜寺の仏像」が平常料金で展示されてました。
伝・平清盛像は初めての拝観。
さすがに空也上人像は来ておりませんでしたが、地蔵菩薩や薬師如来さんは見ごたえありました。

もう一つの目玉が真如苑がサザビーズ(クリスティーズでしたっけ?)で14億だかで落札した推定運慶作・大日如来像。
コレの価値を知って買ったのかどうか知りませんが、確かに素晴らしいお像です。
宝冠などの装飾品は欠損しているようですが、えもいわれぬ崇高さとでもいいましょうか。
ホレボレとしてじっくり見つめてしまいました。
(いえいえ、値札が下がっていた訳ではありませんよw)
真如苑にはいつ返されるのか分かりませんが、今年は9月まで公開しているそうです。

http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=01&event_id=5309

ちなみに、この大日如来を旧蔵していたとされる足利の樺崎寺跡では現在、保存整備が行われています。
http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/01_kakuka-page/10_kyouiku/05_bunka/kabasakideraato/kabasakitop.htm

まあ、何より週末なのに空いてて気軽に観れて良かったです。
企画店でなければこんなもんなんですね~。
すごいギャップ。

| | コメント (0)

実話怪談 ~錦ヶ浦トンネル~

最近、実話系怪談が流行ってますよね。
実話「系」であって、あくまでもフィクションなのですが。
ホラー好きな自分としては昨今の怪談本ブームは嬉しい限りです。
そのなかでも、今までは加門七海さんの作品は面白く感じていました。
新しい『祝山』もなかなか。

最近では、安曇潤平さんの『赤いヤッケの男』も楽しめました。
雑誌『幽』連載作品の単行本です。
山を舞台にした実話系怪談ですが、筆者が横浜在住の方だからでしょうか。どこかで聞いた様な話もありました。
遭難者がネタなだけに山ではあまりネタにしたくない話ではありますが。

でもあくまで実話系。
体験話のような実話(無論、本人にとってのみの実話ですが)はまたシンプルな怖さがあります。
どこでも起こり得る話だったりもするのですが。

その中で「錦ヶ浦トンネル」の話は、以前に某怪談サイトに投稿して本にも載せてもらいました。
コンビニでも売ってるような二見文庫ですけどね。

ただ、その当時は該当するトンネルの名前を「網代トンネル」と勘違いしておりまして、本にもそのように載ってしまいました。

それが最近になって、ふと思い出しまして。
ロードマップで確認してみたら正しくは「錦ヶ浦トンネル」でした。
地図で見ると、観光アミューズメント(?)の熱海城が立つ山の地下にあたります。
(実は、奇蝶サンが熱海城を日記に書いておられたので思い出したのですw)


東京方面から東伊豆に行く際には通るトンネルですので、旅ネタの一つに如何でしょうか。

・・・・・・・・

体験したのは私ではなく、友人Mです。
結婚前まではウチから歩いて5分ほどの近所でしたので、夜中にビールやお酒を持ってよく雑談しに行っていました。
そんな折に聞いた話です。

大学の友人と伊豆に遊びに行った帰りといいますから、この話はもう10年以上前の事になりましょうか。
友人は助手席に一人を乗せて深夜、国道135号線を小田原へ向かっていました。
時間は午前3時頃だったそうです。

週末の午後や夕方は渋滞するこの道も、さすがに深夜はスカスカ。
曲がりくねった道が多いので、眠くならないようにカセット(懐かしい)の音楽を流し、隣りの友人と話を続けていました。

網代や多賀の人気少ない海岸線は暗く、街頭の灯が道を示すばかり。
しかし、その先、錦ヶ浦のトンネルを抜ければ夜景が美しい熱海港が目の前に広がるはずでした。
もちろん、こんな時間では光量も少ないですが、それでも夜の伊豆ドライブでは楽しみなポイントであります。

錦ヶ浦トンネルは短いトンネルが二本続くトンネルで、途中、東側に名勝・錦ヶ浦へ行ける道が開けています。

そして、友人が「それ」見たのは手前のトンネルの中でした。
車が入ってすぐ、前方の暗いオレンジ色の照明の下、白い浴衣を着た女性が歩いているのが目に入りました。

友人は最初、温泉客が夕涼みしてるのかと思ったそうですが、この時間に女性一人というのも変です。
何より変だったのは、トンネルの歩道に沿って歩いてるのではなく、道路をトボトボと横切っていた事でした。
もちろん、酔った人なら危ないことです。

それまで霊体験など全く無く、私が企画した肝試しでも「霊なんているわけない」と言っていた友人です。
この期に及んでも霊だとは思っていなかったのでした(笑)。

ともかく、へたに酔っ払いを引っかけでもしたらたまらないので、ややスピードを上げてトンネルを抜けようとしました。
距離があっという間に縮んでいきます。

そして、ようやく気がつきました。
その女性は裸足だということと、頭に何か白いものが乗っている事に。

あいにく、天使の輪ではありませんでした(笑)。
三角形の被り物でしたとさ(爆)。

こうなると理屈云々ではなく、本能的な恐怖といいましょうか。
尾てい骨から頭頂部まで冷たい空気が一気に上っていくアレです。
総毛立つというか、ゾーッというやつ。
いや、あの瞬間はホントに凍りますよね。
チャクラが開くときもあんな感じなのでしょうかね(笑)。

まあ、その瞬間、友人はそんな冗談ぶっこける状況では無いわけです。

(こりゃ、ヤバイ!)
本能的に察した彼は、一気にトンネルを抜けようとさらにアクセルを踏みました。
が、そのヤバイと思った瞬間でしょうかね。
意思が同通しちゃったというか。
あちらさんが振り向いて、スーッと高速で向かって来ちゃったそうなんです。
そして、あっと言う間に直前。
その方はフロントガラスを舐めるように後ろへ流れて行っちゃいました。友人曰く。

その瞬間、フロントガラス越しにもう数十センチの距離でご対面♪
人相は、
「なんつーか、全体的に白いボンヤリした顔で、そこに暗い点みたいな目が開いてる感じ」
ということです。

私も丹沢の山奥で一回遭遇しちゃった事がありますが、やっぱりそんな感じでしたから、彼の言う「感じ」は分かる気がします。
目玉とか瞳孔とかではなく、自分の心の目と合っちゃうみたいな寒気です。

そんな光景は助手席の友人も見てしまったようで、トンネルを抜けたはいいが、さっきまでの楽しいお喋りムードはどこへやら。
熱海の夜景など目にも入らず、ほぼ無口のまま家の近くまで送って別れたそうです。
で、その際ようやく
「おい、アレってさ、・・・アレだよね?」
「・・・うん」
と、お互いが見たことを確認したのでした。

初めて見たときというのは、それについて語るのも怖かったりするんですよね。
また出そうで。
なんか、見張られているような気というか。


・・・・・・・


まあ、友人Mも大層ビビっておりました。
私が面白がってその話を茶化したりすると、「マジで怖いんだからな!」とお札にぎってましたから。


で、この話にはまだ続きがあるのですが、また次回ということで。

| | コメント (0)

子とりの堀

武田氏館跡で今回、もうひとつ確認したかったのがコレ。

甲府市のHPはなかなか充実していて、昔話集なんかも掲載されているのですが(↓)、そのなかでこんなのがありました。
http://www.city.kofu.yamanashi.jp/contents/content/section/42/204/

2041213_0521(引用はじめ)

「子取りの堀」

(松のしらべ方言伝説号より)
 武田神社の烏居に向かって左方の古城の堀に、昔は子供がそこを通ると、水中に美しい玩具が落ちていて、子供がそれを取りに堀に入ると、誰でも皆、堀の主のために水中に引き込まれてしまった。
 そんなことのないように堀の入り口に地蔵を立て、今でもその地蔵があるという。

(引用おわり)

そういえば、西曲輪の土橋のあたりに石碑やらあったなぁ~、と思って行ってみましたら。

2041213_0511あった(笑)。

まあ、上のお話に該当するお地蔵さんかどうかは確証ありませんが・・・。

そのほかにも、西曲輪の竹は割ると断面が武田菱になっているとか・・。

2041213_0531
神社ができるまでの館跡はうっそうとした茂みだったみたいですから、昔はちょっと怖い雰囲気もあったんでしょうかね~。

実際、堀で子どもがおぼれた事もあったのかもしれませんね。

「あんなとこで遊んでると、お堀に引きずり込まれちゃうぞ!」
なんて、大人が子どもをしかる口実にしていたのでは・・・。

でも、逆にそれで興味が湧いちゃった子も少なくなかったハズ(笑)。

| | コメント (0)

金沢文庫展観と寺社旧跡めぐり(1)

19_0271
前後する日記となりますが、16日(日)、横浜市金沢区は称名寺となりにある県立金沢文庫に行って参りました。
今回は展観と史跡巡りを兼ねていたので、早めの朝9時前に現地到着。陽射しが厳しかったですけどね。
称名寺の池では消防団が放水訓練をしていました。

今回の展観は「陰陽道×(かける)密教」。
http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/bunko/tenjiannai.htm

19_1151
日本にもたらされた陰陽道が密教に取り込まれ、宗教儀礼や学問に体系化。陰陽五行や天文、暦などが密教的にとりこまれて発展していく。
その実践は平安以降、権力者や武士などが怨敵調伏や栄華達成を祈願する修法をも発展させた。金沢北条氏を大檀越に持つ称名寺にも聖天法や、荼枳尼天を本尊に修するダキニ法の教本などが残されている。
展示物はそうした中世密教資料で、博物館の企画としてはなかなかマニアックな内容でした(笑)。
まあともかく、複雑怪奇。

こうした修法は中世後期から近世、さらに俗化・大衆化して、いわゆる禁厭(まじない)として今でも時々お見かけしますね。これらは、純粋な密教僧というよりも、近世以降の里修験だとか聖みたいな人々が大衆に広めたのでしょうか。

個人的には、このような左道密教が県内の各地でどのように受容されていったかも興味があったのだけれど、展示解説はあくまで資料に関連するものに限られていました。
ダキニ法といえば、立川流を連想しない訳にはいかないのですが、その流祖といわれる仁寛は晩年伊豆に配流されているのであって、すでに鎌倉末期には東国でかなり広まっていたとも云われます。
ならば、幕府とも強い関係を持った箱根・伊豆の山岳密教教団にも、そうした学問は伝わっていたはず。
箱根三所権現と伊豆走湯山二所権現の関係は金胎両部で、つまり陰と陽の関係と見なされていたと何かで読んだ記憶があるのだけど、そういう土地柄では立川流も学問として受け入れ易かったのだと想像するのです。
まあ、どちらも最盛期は平安から鎌倉だろうし、明治の廃仏を経て単なる土地の神社となってしまった今では、不明なことだらけなんだろうけど。

では、鎌倉ではどうだったのか。
豊川稲荷みたいに、荼枳尼天が稲荷神に同一視されて今でも残っている稲荷社があるかも。
鶴岡八幡宮の西側にある「志一稲荷」などは怪しいですよね。というか、そのものズバリのような気もするのだけど・・・(汗)。
ただ、ここの神社の「志一」が、『太平記』に出てくる仁和寺の外法成就の人「志一房」かどうかは自分も何も確認していないのですが。
そういえば、この近くには巨福呂坂の青梅聖天もある(笑)。
これらは二十五坊に関係する神仏だったのでしょうかね。
ダキニ法は21日間の修法だったり、豊川稲荷では21回真言を唱えるとかあるそうですが、さすがに21日参りは大変そうですので、志一稲荷で21回ご真言を唱えてみるのも面白いかもしれません。
ただ、ダキニ法は「頓成悉地法」など称するものがあるようにすぐに効果を現すのだけれど、栄華を極めたあとに急激な没落があったりするようですのでご注意(笑)。
有名な例では、平清盛や後醍醐天皇。今川義元も豊川稲荷の伽藍を整備したのでしたっけ。
まあ、なんでもかんでも悪く結びつけるのは良くないですが、やはり政権関係のお願いはしない方がいいのかも・・・?


ええと、展観の内容から大分横道それてしまいました・・。
遅くなったので、午後からのお寺見物などは、また明日にでも書きます。

| | コメント (0)

こんな雨の夜は・・・

夏は暑くなるどころか、冷夏との予報変更だとか。
今日も大暑の暦とは裏腹に、日中ずっと夕方のような冴えない曇りの一日。
湿気だけは立派に夏の不快指数に達していた気もしたが、案の定、帰宅の頃には雨となっていた。
この肌に纏わりつくような外気、一日中汗を吸った衣服からの解放を求めてか、降車駅から同方向の家路につく人々は心なしか足早なようにも見える。

私は自転車なのだが、片手運転は嫌いなので、こういう時は駐輪場に置き、歩いて帰宅している。
鉄道駅から家まで徒歩約20分。
台風でもなければ苦にならない距離ではある。
徒歩妄想に陥りやすい自分だが、その一区切りのリズムもちょうどこれが基本となって体が覚えているのかもしれない。
ちなみに自転車だと8分くらいで、途中あまり信号機もないので何かに思い巡らすほどの余裕はない。とはいえ、川沿いの道などで季節の野花や渡り鳥などを見つけた時などは、その後のプラットホームやら車内やらで、良い句でも思い浮かばないものかと考えたりは良くあることなのだが。

さて、駅から出てもすぐには妄想モードには入らない。
というか入れない。目や耳に入る情報が多すぎる。
駅前の商店街や幹線道路から幾分か離れ、近道にしている生活道路に入る頃がその頃合いである。
最近、市内では最も発展著しい当地区ではあるけれど、もとは農地で占められていた箇所である。幹線道路沿いの明るい商店街から裏小路に入れば、旧農村らしい曲がり屈ねった小路沿いに一般住宅やアパートがあって、その中に田圃や用水路が僅かに残存している。
結局、建築物は一向に纏まりが無いのに、景観に落ち着きを与えているのは、年々減りつつあるこの農地風景と旧農家の庭の緑樹なのであった。
道路が酷く狭かったりと、今の生活には難点があるかもしれないが、田端で夕涼みをしていたりする住民を見るに案外、この中途半端な環境がいずれ消え行くのを惜しんでいるようにも思える。
かく言う私もその一人なのは言うまでも無い。

だが、夜ともなるとかなり真っ暗である。
家こそ多いものの、多くは庭樹で室内の明かりは路上に届かないし、街灯も以前に比べて増えたには増えたが、まだかなりの間隔に一つしかない。
あの昔からお馴染の青白い蛍光灯ではあるが、確かに真下は明るい。が、家屋の明かりが余り漏れないここでは、逆に明るすぎて目が眩み、曲がり屈ねった道の角や空家の玄関先などが日陰となって余計に見え辛かったりするのだ。むしろ電灯が無い方が夜目に慣れそうな感じである。
加えて、今の時期などは用水路の水流の音や蛙の鳴き声も大きい。
都市部に住む方々から見れば、余り防犯上よろしくない道に分類されるかもしれない。
が、地方にはざらにある光景であろう。

ともあれ、今日などは怪談の風景など妄想しながら歩くに最適なルートであった。
つい振り返ってしまう後ろの足音、一軒だけ残る農家の空家の真っ暗な玄関先、田圃の向こうに見える自動販売機や街灯の蛍光。
雨に霞んだ夜闇だと、見るもの聞くものが何となく混濁する。
不安気を誘う情景というのは、昔も今もあまり変わりが無いようである。ただ、下駄の音がヒール靴であったり、灯篭の灯が電灯であるだけの話で、あとは周囲の自然の配分の度合いに大きく因るものであろうか。
その点、田舎道のぽつねんとした電話ボックスなども、夜の不安感はあったのだが、こちらは最近見かけなくなってしまった。

雨の夜の徒歩帰宅は、こんな妄想を楽しんでみたりした。

が、実のところ、あまり不安指数は高まらなかった。
普段もよく通る道なので慣れきってしまっている。
そこで、今日は少しルート変更を試みた。
上述の住宅地を抜けると、比較的広い寺が一院があるのだが、その墓地参道を抜けても帰宅ルートに合流するので、久しぶりに歩いてみたのである。
水を吸って重い色になった卒塔婆。淡く私の傘の色を写す御影石の墓石。古い墓石や石塔ほど耐水性に欠けて闇に溶け込もうとしていた。地蔵の顔もよく見えない。
なるほど、なんとなく不安指数が上昇してきた気がする。
鐘楼に下がる鐘も風が無いのになぜゆっくりと揺れているのだろう。
山門をくぐって、外へ・・。
そして、老婆が。ゆらり。

と・・立っていたように一瞬見えたのは、門脇の立派な柳の垂れ枝である。
よく繁茂して門の軒先に重そうに伸び下がっていた。
なるほど・・・。
次の雨の日はどうしてみようか。

| | コメント (0)

第一回妖怪人気投票

・・をやっておる。
水木しげる御大ゆかりの鳥取県境港市の観光協会サイトを見るべし。
http://www.sakaiminato.net/
まあ、映画公開に合わせたイベントのよう。
現在のところ、一旦木綿がダントツで、次席が目玉親父。
そして三位がぬり壁と、なんだか目しか表情の無いキャラばかりなのが共通しているが、好みは分からないでもない。
ちなみに私は牛鬼(現在28位)に一票。
輪入道かバックベアードにしようかとも迷ったが。

美輪明宏がベストテン内に入っているのが笑えるが、優勝してしまったらどうするのだろう。
ちなみに、現在22位の「(南方)妖怪チンポ」はふざけた荒し行為ではなく、『ゲゲゲの鬼太郎』に実際に登場したキャラである。
現在ではヒンシュクを買いそうなネーミングではあるが、南方に出征した御大の見聞が活かされているのかもしれない。
作品中ではかなりアホな妖怪だったが、原イメージは精霊に近いモノだったのではなかろうか。

それはともかく、アンデルセン童話の『人魚姫』と八百比丘尼の話をごっちゃに記憶していたワシ。
先週、会話の折に指摘されたのだが、最後は王子様に食べられてしまうのかと勝手に思ってた。

| | コメント (0)

あなたの好きな映画は何ですか?第1弾「ホラー・怪奇映画」編

日記じゃないけど、お客さんとカキコ数をアップさせるためにベタな企画を考えてみた。

立ち寄りさんでも大歓迎です。
お題の映画でマイベストなもの、内容だけでなく自分のテイストにヒットした作品とか挙げてみて下さい。

ということで、最初は戦争映画にしようかと思いましたが、いきなり超マニアックなスレになることが予想されますので、ここは季節外れな「ホラー・怪奇映画」にしようと思います。
よろしう。
ではますは言いだしっぺから。

あんまりクラシカルな名作は見てないので、良いのがあったら教えて下さい。

1「エクソシスト」(The Exorcist )
色んな効果を実験した先がけとして。あと宗教系オカルトホラーは恐いと思う。

2「ローズマリーの赤ちゃん」(Rosemary's Baby )
これも宗教的な恐さといえるかな・・。救いが無いエンドになんとも言えん無力感。

3「サイコ」(Psycho)
ヒッチコックのは「鳥」(The Birds)と「白い恐怖」(Spellbound)も好きです。

4「リング」(第一作、98年)
ほぼ和製キャリーともいえるので、Sissy Spacekの「キャリー」とどっちにしようか考えたけど、やはり日本人としてはこうした民俗的な恐さが嬉しいし、その後の和製ホラーブームのさきがけとして。

5「八つ墓村」(松竹、77年)
ホラーというか分からないけど、横溝原作作品なので一応こちらに。渥美清の寅さん以外の演技に惹き込まれます。

6「ミザリー」(Misery)
キング原作の映画なら「シャイニング」(The Shining、80年)が名高いけど、個人的にはこっちの方が好き。どっちも雪に閉じこめられた世界という設定だけど。

7「女優霊」
中田秀夫の「リング」前の作品。脅しの手口は同じなんだけど、洗練されてない良さというべきか。柳ユーレイは名前だけでなくホラー向きなんだと思った。

8「死国」
中途半端な心霊純愛映画?だけど、初めて見る場合に限り、前半の幽霊登場シーンはちょっと恐くてナイス。地味だけど、こうした民俗系ホラーの方がありそうで恐い。一番、リアルな地縛霊といえるかも(笑)。

9「バタリアン」(The Return of the Living Dead )
これ、コメディなのかもしれんけど、まあゾンビ映画なので。

10「マタンゴ」
ホラーというか特撮映画の部類なのかもしれないけど、キノコに人間が寄生されるというキモさは、小学生低学年の私には強烈でした。あの後しばらくはナメコ汁が食べれませんでした。

| | コメント (4) | トラックバック (1)