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2013年4月に作成された記事

千葉神社

東京に泊まった1日目ですが、チェックイン後、お昼は私一人で千葉市へ行ってました。
以前、新聞広告で見た千葉市美術館の『仏像半島』という特別展が気になっていたんです。
都内の行事案内を見ると、練馬の石神井池でやってる『照姫まつり』も気になったのですが、東京駅からだと千葉市の方が全然近いんですよね。

それに、千葉市へ行くのは初めてなので好奇心が勝りました(笑)
というか、成田空港に行く以外の目的で千葉県入りする事が初めてかも。
いや、東京ディズニーランドに行った事があったか…
でも、千葉県というのを意識して向かうのは今回が初となります。

東京駅で総武線のホームに向かって驚いたのは、その深さですかね。
同じJRなので、いつも使っている東海道線の隣ホームかと思っていたのですが、2層くらいの深さまでエスカレーターで下りて行ったので、つい何度も間違ってないか確認してしまいました。

快速で東京から約40分。千葉に到着。
休日ということもあってか、車内はずっと空いてて快適。
本を読んでいたらあっという間に着いた感じです。

こちら千葉駅の駅スタンプ。
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何故に斜光器土偶?と思いましたが、加曾利貝塚と書いてあります。
加曾利ナントカ型とか縄文土器の分類の様式として、よく目にするアレの基準発祥となったのがココなんですね。
「…貝塚のある駅」となってますが、すぐ近くに遺跡があるのでしょうか?

ほいで、こっちが千葉市のマンホール蓋のデザイン。駅から千葉神社へ向かう途中幾つかありました。
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千葉市ホームページ記載のプロフィールを見ると、中央の円のデザインは、市内6つの区を表現とのこと。
でも、鳥が描かれている二重目の円との組み合わせといい、妙見信仰の月星紋と九曜紋を取り入れているようにも見えます。
外側の円にあるのは、市の花大賀ハスでしょう。
市の鳥は、小田原と同じコアジサシとなってますが、ここに描かれているの鳥はカモメ科ではないですね。何だろう?ご存知の方、ご教示願いますm(_ _)m

美術館に向かう途中、千葉神社があったので参拝してきました。
千葉氏一族の厚い崇敬を受け、徳川将軍家からも保護を受けた千葉妙見宮です。
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境内は朱塗りの社殿なのに、道路から見るとお寺っぽい外壁なのが面白い。
鳥居もありましたが、道路から入るのは脇参道のようなので、回って正面へ。

これは初めて見るスタイルの楼門です。
額には「尊星殿(そんじょうでん)」と。
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神社ホームページによれば、もとあった山門(明治以前のものでしょうか)は昭和20年の空襲で焼失。
平成10年に再建された、社殿と楼門の複合式の類例ないもの、との事。

中央には、六角の社殿。神社祭神の「北辰妙見尊星王」分霊が祀られているらしい。
各面に方位と十二支が配され、各々の干支や願望内容によって祈願することができるというもの。
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なんとなく御所の高御座(たかみくら)が連想されましたが、妙見信仰も天帝信仰が元になっているんでしょうね。

社殿の方からふり返った楼門。階上に五色の幣。
八角の望楼を備えた、左右の脇門も独特。
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コンクリート造りとはいえ、平成時代のニーズに答えた習合的デザインという観点で見れば、なかなか面白い神社建築ではないでしょうか。
まあ、一歩間違えると、新興宗教の建物みたいになってしまう恐れもあったでしょうが。

そして、社殿。
こちらも二階建ての独特な拝殿です。
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やはり、節分の豆まきなんかは上から撒くんでしょうね。

額には「妙見」の二文字。
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明治以降、各地の妙見宮・妙見堂は、神仏判然とするため天御中主神を祀る神社となった例が多いようですが、ここも“北辰妙見尊星王=天之御中主大神”としています。
でも、妙見信仰の本宮とする千葉神社としては、やはり妙見信仰が主なんでしょうね。

拝殿二階へ上がってみました。
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上下どちらでも自由に参拝できるようになっています。

こちらには、このような参拝手引が。
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「除死定生、滅罪増福、益算延寿」てのは、伝統的な祈願文の一節でしょうか。
熱心な妙見信仰されてる人はきっと、二階の拝殿の方でお参りするんでしょうね。

こちらは隣にある摂社・天神社。
一転、落ち着いた佇まいですが、千葉神社の旧社殿だったもの。
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香炉が置いてある辺りが習合っぽいですね。

こちらの賽銭箱には、「月星講社」の、山に星月の社紋。
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どこの山か分かりませんが、氏子中による登拝講なのでしょうかね。
境内末社に明治時代勧請の御嶽神社があったので、御嶽講かもしれません。

道路側の鳥居脇には、こんな格好イイ狛犬が。
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崖下で転がる子犬を見下ろす親犬。
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鍛えるため落としたのか、それとも心配しているのか、単に邪れているのか。
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こちらが対の狛犬。
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「御大礼記念」とあるので、昭和3年頃の作でしょうか。
生き生きとした狛犬さんですね。

もう1週間早く来れば、藤の花も見栄えあったかもしれません。
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朱色の鳥居に若緑と藤色は映えたでしょうね。


面白い建物だったので、つい色々書いちゃいました。
『仏像半島』の感想はまた次回に・・・

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家族でプチ東京旅行

今年のゴールデンウィーク前半は、久しぶりに家族で1泊旅行でした。
行先は東京ど真ん中。
まるでお上りさんですが、かえって空いてて良かった。
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両親の結婚40周年てことで、お宿は皇居に近いホテルに。
私1人だったらこんな高いトコ泊まりません。

でも、皇居の周りは広々としてるし、緑もあってゆったりした気持ちにさせてくれますね。
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部屋からは二重橋がなんとか見えました。
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あたり前ですが、皇居の周りには高層建築が接してないので、結構遠望が利きますね。
国会議事堂や警視庁、法務省なんかも良く見えました。

その分、夜は本当に真っ暗なんですが(笑)
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連休なので、周りのオフィスビル群もヘリポートの赤ランプが目立つばかり(笑)
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まあ、地方育ちの私達一家には、このくらいの方が落ち着いて寝れて良かったです(笑)

夜は、両親はジャズを聞きに行ってしまったので、私は神保町書店街をぶらぶら。
秋葉原の方まで歩いてきましたが、ここはほとんど外国人ばかりでした。
タイとかインドネシアの人が目立ったかな。
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ターバンを巻いた女性がいたので、イスラム圏の家族だと思いますが、中央分離帯で記念写真とか危ないですね。
最近の秋葉原の夜の光景って、こんなんなんでしょうか?
(夜の秋葉原って、親父とビデオデッキ買いに来た80年代しか記憶に無いもんで…)

翌朝は、せっかくなので家族で皇居の周りをウォーキングしてきました。
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画がなんとなくボヤけてるのは、携帯のカメラだからです。
実は、持参のデジカメが壊れちゃったのでした。10年位使ってきたのでもう寿命だったんでしょう。

外桜田門と警視庁ビル。
この日は昭和の日ということもあってか、皇宮警察OBらしき方々が桔梗門に入って行く姿が見られました。
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外桜田門の説明板には別名で小田原口門と書いてあり、両親は興味深げに読んでいました。
肝心の門は整備工事中で覆われてしまっていましたが(笑)

掲示写真を見ると、一部はかなり傷んでいた様子。
白アリの被害も進んでいたようです。
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工期は今年6月までとありました。
屋根や漆喰も新しくしてるようなので、綺麗に生まれ変わるでしょうね。

桜田堀。
この辺りから吹上曲輪にかけては、堀のラインも自然地形でなだらかだし、(鉢巻石垣が樹木に隠れて)土塁の緑も映えて穏やかな景色ですね。
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堀の対岸はメッチャお堅いですが(笑)

法務省旧館。
映画『トラ・トラ・トラ』では、海軍省として門前の衛兵交代シーンが登場したのが印象的でした。
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復元なった東京駅舎と併せて見物する観光客も増えているのではないでしょうか。

そして国会議事堂。
近年外壁のクリーニングが行われ、花崗岩の白さが甦りました。
確かに、小学校の遠足で行った頃はもっと煤けていたような気がします。
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総理大臣官邸。
左が旧官邸で右が現官邸。
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生垣越しなんで余り見えませんでしたが、周りはお巡りさんだらけなので、覗こうとする気にもなりませんです(笑)
門も二重の柵で閉ざされて現代の枡形虎口のようでした(笑)

山王下からふり返った官邸。
やはり、官邸の場所も高位の要地を占めていますね。当たり前っちゃあそうですが。
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この時、安倍さんはロシア訪問中。
封鎖や警備は普段より薄かったのでしょうが、周りはお巡りさんばかり。やはり、緊張してしまいました。
2.26事件で有名になった山王ホテルがどこか気になりましたが、そんな昔の建物は全然残っていませんでした。

せっかく首相官邸近くまで来たので山王神社へ。
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随神門にかかるは「皇城の鎮」。
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もとは太田道灌勧請の江戸城鎮護社ですが、今は皇宮に最も近き社、そして裏鬼門守護の社としても崇敬を集めています。
ちょうど昭和の日。元旦以外の祝日に家族揃って参拝したのは、七五三の時以来かもしれません。
せっかくなので、皆で国・民の安泰繁栄を祈りました。

こちらは境内摂社の稲荷神社と猿田彦神社(八坂神社を合祀)。
奥の猿田彦神社は山王の神使である神猿ともされ、今でも庚申祭が行われているとの由。
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手前が稲荷社で、こちらは境内で唯一残る江戸時代の社殿。
徳川幕府による造営社殿として、貴重な文化財に指定されています。
朱漆塗りに瓦葺の社殿、小ぶりながらも一番見栄えがしました。

休憩所には、わたせせいぞう氏によるオリジナルポスターが。
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私、一時この方の絵が好きで本やカレンダーを買ってました。
この絵馬があっても良いのにな。

それから、議員会館、自民党本部、最高裁、などを見て半蔵門へ。
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11時近くになると、陽射しもかなり強くなってきました。
お堀周りを走るランナーもひっきりなし。ちょっと多過ぎるくらい。

目の前を通り過ぎた外人ランナーさんの後姿を追ってたら、こちらに入って行きました。
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英国大使館。綺麗な正面ですね。

国立近代美術館の工芸館。建物は、かつての近衛師団司令部です。
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皇居の周りは、古い官庁建築を見る楽しみもあって飽きません。

北詰橋門から皇居東御苑、旧江戸城本丸へ。天守台。
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皇居や官庁街をぶらぶらしたのは、家族皆初めてでした。
ずいぶん遅い社会見学(笑)ではありましたが、日本の中枢部のスケールを実際に足で感じれたのは何よりでした。

チェックアウトはお昼まで大丈夫でしたので、部屋で小休止。

帰りは、私の希望で、羽田空港に寄り道して行きました。
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実はボーイング787を見たかったのですが、さすがに国際線ターミナルの駐車場は混んでいて止まれませんでした(涙)
エアバスって、あんま好きじゃないんですよね。

連休前半ではありますが、道路がとにかく空いてて楽でした。
小田原のウチからだと、行楽客の流れと完全に逆なので、行きも帰りも無渋滞。
というか、いつもより断然空いてました。
西湘バイパス乗ってから首都高で銀座に降りるまで、たったの1時間半でしたから!

ウォーキングは思ったより距離あったけど、都心で時間を気にせず過ごせるってのはいいですねえ。
来年の連休も東京にしようかな(笑)

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国宝 大神社展 展観

昨日、都合が取れたので、ゴールデンウィーク開始前に行ってきた。
東博の特別展にしてはかなり空いていたと思う。
やはり、仏像や絵画に比べると、神宝や神像の類はまだマイナーな好みなのかもしれない。
その分、一つ一つをじっくり観れたのは幸いだった。

展覧会チラシを見ると、“初公開”マークが幾つもある。
実際、普段公開が滅多にされない品(ご神宝類)が多いようだ。
伊勢や出雲の遷宮を控えた今年、これも神社界による一種の勧進出開帳なのかとも思えなくはないが。
ともあれ、日本全国の各神社社宝を一堂に、まさに浴びるように拝観できるというのは稀有な催しに違いない。

拝観前に、上野公園内にある花園稲荷に参詣。
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一応ご神宝類の拝観であるので、簡略ながらの清祓いとして。


平成館で展観するのは、『ボストン美術館・日本美術の至宝』展以来だろうか。
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展示内容は、6つの構成からなっている。
【第1章 古神宝】
 神前に捧げられた最上級の工芸品の数々。装束・調度品・武具など。主に平安~室町時代の作。
【第2章 祀りのはじまり】
 古代祭祀に関わる考古品・神宝、文書類。三輪山や沖ノ島の祭祀遺物、延喜式神名帳など。古墳時代~平安時代、ほか。
【第3章 神社の風景】
 神社の旧景観を伝える、縁起絵・宮曼荼羅・境内図など。鎌倉時代~江戸。
【第4章 祭りのにぎわい】
 祭礼に使用された、神輿・装束・小道具、祭礼図屏風など。主に平安~室町。
【第5章 伝世の名品】
 各神社に伝わる由緒品、優品など。鏡・武具・馬具・納経・寄進状・絵馬・陶磁器など。古墳~室町。
【第6章 神々の姿】
 神の姿を現した、神像・御正体・絵像など。平安~室町。

展示物の性格から見ると、「神に捧げられた宝物」「文書や絵による史料」「信仰対象」、の3つに分けることもできようか。
総数200点以上の豪華な展示である。
個人的には、神像(木像・絵像)が見たかったのだが、宮曼荼羅や工芸品も素晴らしいものばかりだった。

その中で最も見たかったのは、大和文華館の「子守明神像」(南北朝時代)と、三重・伊奈冨神社の「男神坐像」(平安時代)。
前者は、畠山記念館の「清滝権現影向図」(本展には出ていない)とよく比較されるが、神身の大きさが強調されて描かれている。
後者は、目尻が吊り上がり、強調された威容で、一度見たら忘れられないお顔だ。

若狭神宮寺の男女神像、松尾大社の三神像、東寺の(八幡)女神像、櫛石窓神社の女神像なども神威感じられる作だった。

神像特有の様式も興味深い。
前後幅が狭いのは、狭い本殿に収めるためか。
また、内繰りを施していない像が多いようだが、これは像を霊木で作った依代(よりしろ)・神体であると考えるためか。
そのせいか、割れが生じている像が幾つか見受けられた。

宮曼荼羅は、「富士浅間曼荼羅」と「伊勢両宮曼荼羅」が見ていて飽きなかった。
今は禁足地となってしまった、外宮の奥の院たる高倉山の天岩戸(横穴古墳)、その近くを歩く修験僧、伊勢内宮奥の院の金剛証寺など、かつての神宮霊域の景観は興味深い。
その点、浅間大社は大きな変化はないのが対照的だが、やはり習合時代には三重塔があったのが分かる。

古神宝の工芸品では、熊野速玉大社の「金銀装鳥頸太刀」(南北朝期)と「橘蒔絵手箱および内容品」が豪華で目を引いた。
鳥頸太刀の鍔と柄には、密教法具である法輪が装飾されており、この太刀そのものも法力を備えていそうな趣を漂わせていた。

そして、もう一つは、鶴岡八幡宮の北条氏綱奉納・相州綱広作の大太刀。
昨年、特別な便宜によって社務所で拝観することができた事は以前にも書いたが、まさか一年も経ずして再見できるとは、夢にも思っていなかった。
これだけ長期に公開するのは、初めてなのではないだろうか。
これも、刀身の銘文だけでなく、外装具にも北条家の威信をひしひしと感じさせてくれる名品である。
特に鍔の金工は見応えがある意匠だ。

さて、展示室は当然撮影禁止なので、本館の関連展示で似たようなのを幾つか。
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金峰山出土の、「線刻水分三神鏡像」。
『大神社展』にも、東博所蔵の御正体「子守三所権現鏡像」が出ていた。

それから、日御碕神社の「黒韋肩裾取威」(室町時代)。
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『大神社展』前期展示には、同神社のもっと豪華な「白糸威鎧」(鎌倉時代、国宝)が出陳されている。


展観した時間は2時間ほど。
空いていたので、本当にじっくりと堪能できた。
神像は色々な距離から眺められるよう展示がされており、配置の仕方も神社のようで雰囲気があった。
 
解説文に関しては、個々のキャプションは良いとしても、全体にどこか万博的な散漫さを感じた。
展示品の多くは、祭祀遺物などを除くと、殆どが平安~室町の中世、神仏習合が盛んだった時期の作品だ。
大博物館ならではの事情、神社界の事情など、いろいろあると思うが、テーマ性が薄くそれが物足りなかった気もする。

この後は、本館で「平成25年新指定国宝・重文」の特集陳列を。
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韮山の願成就院「不動三尊像(運慶作)」や、
南アルプス市の江原浅間神社「浅間神像」
http://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/kanko/shiseki-bunka/index.html/newspage?item=/shisei/soshiki-syokai/kyoiku-iinkai/bunkazai/news/sengen
を展観。

そして、リニューアルオープン後初見の東洋館。
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中国や西域、インドの仏像を見たのは何年ぶりだろう。
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イケメンな天竺仏や、しなやかな唐菩薩、微笑する斉や魏の仏達。
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ここだけでも充分癒される場所だ。

この日は閉館が夜8時までということだったので、7時ころまでゆっくりと。
結局、7時間くらい通しで東博を堪能でき、真に眼福なる一日だった。

追記。
本館のミュージアムショップが本館1階に移転。
天井が高いので、明るく開放的になった。書籍棚も見やすい。

こちらは、『大神社展』展観のスーベニアに購入した布製ブックカバー。
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展示されていた「春日神鹿御正体」のイラストがプリントされた、文庫本サイズ。
なんだか勿体なくて使えなさそうだ。
このデザインで、特別展オリジナルのご朱印帳があればもっと良かったのだが。


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はな子さんに会いに!

弁天堂参拝の後には、公園に接する都立井の頭自然文化園(動物園)へ。
目的は、ここの主とも言える、国内最高齢ゾウのはな子さん。
小田原のウメ子さんが亡くなってから、一度会いに行きたいと思っていました。

はな子さんとウメ子さんは、戦後来日したアジアゾウ達のさきがけ。
日本に来て暫く、2頭は上野動物園で一緒に飼われていました。
その時の写真が何枚かあって、小象時代のウメ子さんの写真には、はな子さんも写っています。
それを昔から目にしていたので、一度も会った事ないけど勝手ながら、はな子さんも特別に思っていたのでした。
さて、元気なお姿が見れるでしょうか。

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小田原の城址公園と違って、こちらはちゃんとした有料の動物園。
ポカポカ小春日和の週末、オッサン一人で入るのはなんだか小恥ずかしくもありました(苦笑)

入場したのは13時過ぎ。
ちょうどお昼どきということもあって、ベンチで寛いでいる家族連れが多かったようで。
喫煙コーナーでつい寝入ってしまってるお父さん達も少なくなかったです(笑)。
動物園も広いですし、子供のペースで見歩いてると結構疲れるでしょうね。家族サービスお疲れ様。

しかし動物たちも眠そうなこと(笑)
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フェネック。
無防備な寝姿だけ見てると、飼い犬と変わらないですね。

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カピバラ。もとから眠そうな顔してるけど…


そして…
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いました!はな子さん。

でも、やっぱり眠そう(笑)
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もうお婆ちゃんですから仕方ないですね。
晩年のウメ子さんも、うつらうつらしてる事が多かったし。


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ゾウ舎の傍らには、はな子の来歴を記したパネルが展示されています。

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右側にいるのが、来日後に上野でいっしょに暮したインディラ。
これがもしかしたらウメ子さん?とも思ったのだけど、はな子さんより大分年上そうに見えます。違うのかも。

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モートに落ちてしまったはな子さん。
パニックになって大変だったようです。

ウメ子さんも幾つか似たような事件がありました。
素人ながら思うに、やはり、昔の動物園のゾウ舎&運動場は狭すぎたんじゃないかと。

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はな子さんは、もとは“カチャ”さんと呼ばれていたんですね。
実は、ウメ子さんの飼育係の方には、「ウメ子のもとの名は“ガチャ”」と聞いていたのですが、勘違いだったのかも。
やはりウメ子はインディラだったのかな…。

ともかくお姿見れただけでも良かった。
もっとお客さんが少なかったら、ウメ子さんにしたように声かけてみたかったけど。

こちらは、吉祥寺駅から井の頭公園へ向かう道の一つ「パープル通り」の路面プレートと旗。
はな子さんも地域の長老アイドルとして愛されてるんですね。
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はな子さん、いつまでもお元気で!


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井之頭池弁財天ご開帳

今年は巳年ということで、各地の弁財天や厳島神社の特別行事が行われているようですね。
多くは、4月もしくは旧暦4月の初巳もしくは13日に斎行されるようです。

昨日は、東京は三鷹市の井之頭池弁財天が12年に一度のご開帳ということで、参拝してきました。

お像は恐らく近世以降のお作でしょうが、現在も崇敬本尊となっているお像は“生きている”という点が最も重要なのであります。
私は今回が初参拝。
以前、こちらの絵馬をお土産に頂いて以来、気になっていたので、ちょうど良い機会となりました。

吉祥寺駅で降りるのは何年ぶりだろう。
前進座劇場で山中貞雄特集を観に行った時以来かも。だったらもう15年以上経っている。
いや、7年前にお付き合いでジブリ美術館に行った事があったか。
前進座に行った日の事は本降りの雨だった事まで覚えているけど、ジブリ美術家行った時の事は記憶に薄い。
て事は、やはり、完全にお付き合いで面倒だったんでしょうなあ(笑)


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天気は上々。良い参拝日和でした。

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七井橋の碑。
かつては、七井池と呼ばれていた程、湧水豊かな場所だったんですね。

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12年に一度という事もあってか、すでに長蛇の行列。
と言っても、入堂まで30分ほどでしたが。

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白木美しい開帳塔婆。
本尊から繋がる五色の紐で結縁参拝。
お堂前の狛犬は特徴的な顔をしてました。

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中へは、お堂をぐるりと回り、ちょうど本尊お厨子の真後ろ辺りから。
黒漆塗りのお厨子で、昭和4年に浅草の職人作による新調とありました。

堂内は撮影禁止。
開扉されたお厨子には、八臂弁天さん。丸くて白肌のお顔に細目で柔和な表情をしておられました。
厨子左には三面大黒天。右には毘沙門天。
天台寺院でよく観る組み合わせですが、この崖上にある別当・大盛寺もやはり天台宗でした。
寺伝では源経基の創建にまで遡るとなっていますが、現在の弁天堂に直結する確かな由来としては、江戸時代に神田上水の水源地として認知されてからなのでしょう。

本堂外陣には、右に十一面観音。左に不動尊や客仏らしき小さな仏像群が。
そのうち一つは、お顔は一面で憤怒相、手は多臂で右手一つが長い鉾を持つ、足は半跏。
今となっては記憶があいまいですが、あれが明王部ではなく天部なら、大自在天かもしれないので、少々気になったのでした。
次回普通の時か定例縁日の折にでも聞いてみたいと思います。

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宇賀神の石像。
もとは大盛寺黒門近くに立つ標石だったようですが、移転の末、上部の宇賀神像だけが弁天堂境内に遷されたようです。
蓮台も付いてるし、標石にしては勿体ないくらいの立派なお像。
神田上水の水源神として崇められていた往時のほどを偲ばせるものがありますね。

参拝後、ご朱印と開帳記念の御影札を頂いてきました。
また、こちらオリジナルの経本もあって、コンパクトで良さそうだったのですが、聞き忘れてしまいました。

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公園をぶらり。
新緑の合間に陽が射すこの時期、花見の盛りも過ぎ、のんびり散策できて最高でした。

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徳川家康が茶水として愛飲したと伝わる「お茶の水」。
こんこんとしていますが、実は昔ほどの湧水はなく、現在は水道で流しているようです。

今は弁天池さまというよりも緑地公園の趣きですが、かつての水源を大切に思う心は残っていると感じました。
現在の都民の水道水は、利根・荒川水系と多摩川水系が殆どのようですが、ここも大切に守っていって欲しいですね。と言っている私は全然関係ない者なのですが。

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以前、おみやげに頂いた絵馬。
持物といい梵字といい、まさに宇賀弁財天らしい絵柄で気に入っています。

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御真影札と散華。
平成25年ご開帳記念とありますが、古くから授与していたような木版画(の印刷)。
ここでの弁天像は二臂。当時のご本尊かお前立像でしょうか。
散華はご朱印頂いた折に挟んで頂きました。
五色の色違いのほか、弁財天のソ字と宇賀神のウ字がありました。
こちらもなによりの記念で有り難いです。


※追記:5月1日、弁天堂と池を挟んだ対岸にあった稲荷社が不審火で焼けてしまったようです。上のお札にも載っている「親之井稲荷」さんがそれです。
弁天さんとの関係、社名の由来などは分かりませんが、親と書くからには地主神か、人手による整備される前の水神さんとしての祠でしょうか。
ともかく、弁天さまのお札に併記されてるからには共に信仰されているのだと思います。
小さな祠でしたが、私がお参りした日も、地元の方らしい親子連れが、「こっちもお参りしていくんだよ」と手を合わせていました。
吉祥寺の事件といい、なんだか物騒で心配ですね。
お社の早い復興と、地域の安全をお祈り申し上げます。
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(写真はご開帳の折のものです)

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