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2013下谷七福神めぐり(6)恵比寿神

次の恵比寿さんは“飛び不動尊”こと正寶院(寺門系天台宗単立)にある。
昔、大峰山から一夜にして江戸へ飛んで返ってきたと伝える不動明王が本尊のお寺。
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さきの英信寺と同じく、間口が狭く奥に寺域が開けているのが、いかにも下町寺らしい。
とはいえ、多くが、明治の神仏分離・廃仏、大正の震災、昭和の戦災を経ての姿であったりもするので、一概に風情がどうこうと言えないのではあるが。

こちら、関東三十六不動尊霊場の第二十四番札所で、私もその参拝に来たのが最初だった。
その後、小田原在住の日本画家、近藤弘明さんのご実家ということで、初期の絵を拝見させてもらった事がある。
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ちょうど本堂の塗り直しをしているようで、ペンキ屋さんがお昼の休憩中。
下地塗りなのかもしれないが、戸板(蔀戸?)が白く塗り直されて、明るい雰囲気。
ともかく、まずはこちらのお不動さんに久々のご挨拶をする。

軒下には、こんな写真額が新たに掲揚されていた。
映画にもなった小惑星探査機「はやぶさ」が、大気圏に再突入(つまり帰還)した時の写真。
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聞けば、はやぶさを打ち上げるに当たって、こちらでご祈祷したのだという。
以前テレビで観た番組では、どこか山奥の神社でご祈祷していたのを紹介していたが、これだけ大きなプロジェクトだから、多くの関係者がそれぞれ知る寺社に詣でたりしたのかもしれない。
どんなに最新技術の粋を集めたものであっても、まだまだ宇宙での活動・捜査という点では、実際にやってみないと分からない事が多いはず。
遠隔操作となれば、まさに天のみぞ知る状況なわけで、特に交信途絶した時などに至っては、めいめい祈る心も真剣であったと思う。
こちらは飛行機の守護祈願でよく知られたお寺なので、宇宙の事でも宜しくとなったのだろう。


そして、恵比寿堂。
全ての願い事を聞いてくれる「きく恵比寿」尊がお祀りされている。
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ささやかな竹藪が風情を添えている。

こちらもガラス越しに恵比寿さんを拝む事ができる。
冠を脱いだら実は布袋さんなんじゃないか、というような大きく福々しいお顔。
お像は銅造だろうか。どっしりした質感。
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平成11年発行の『関東三十六不動霊場ガイドブック』には、少し異なる木造の恵比寿さんが載っているので、こちらはお前立担当のお像なのかもしれない。
10月10日が縁日で、キクの花をお供えするそうだ。
よく見ると、お像の両脇の常花も菊の形をしている。

ご神徳は、喜結良縁・敬愛富財。

お堂の前には「お参りの仕方」として、一礼二拍手一礼・ご真言、と仏式の神拝作法が日英二ヶ国語で説明書きがあった。
外国人の参拝客は多いのだろうか?
確かに日暮里駅からは京成スカイライナーで成田空港と結ばれてはいるが…

しかし実はそれより、個人的に気になったのは、ご真言である。
「おん・ろきゃ・ろきゃ・きゃらや・そわか」
いわゆる諸天神呪だが、七福神で恵比寿天のご真言を掲げる場合、
「おん・いんだらや・そわか」
の帝釈天(インドラ)の真言が使われている事が多い。
恵比寿神は七福神中で唯一の日本の神さまということで、合致する性格の天尊、もしくは尊名の音(たぶん“ぃえびす”の音を“イー”に?)に合わせた辺りから真言を充てているのだろうと想像するのだが…
ただ、諸天神呪だと主尊あっての脇役っぽいし、七福神全部これで代用できてしまう気がしないでもない。
まあ、そんな事いくら考えても何の意味も無いのではあるが。

こちらでは2種の絵馬が頒布されている。
どちらも寺オリジナルの飛び不動さんと、きく恵比寿さんのイラスト。
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お不動さんの前を飛んでいる機種はボーイング747かと思われる。

庫裏で、恵比寿神ご尊体と先ほどの朝日弁財天のご朱印を頂いた。

さて、交差点「飛不動前」を渡って、道なりに進めば、最後の布袋尊・寿永寺。

その前に、途中の一つとなり道にある一葉記念館へ。
小さな記念公園があって、「一葉女史たけくらべ記念碑」が立っていた。
隣りの織部灯篭が優雅。
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しかし、この後に東博で展観する予定だったのを思い出した。また今度にしよう。
まずは一路七福神の満願へ。

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