2013下谷七福神めぐり（4）毘沙門天

毘沙門天の担当は、法昌寺（法華宗本門流）。
先ほどの英信寺からはすぐ近く。住宅の密集した小道がいかにも下町らしい。

奥にあるのが毘沙門堂。まずは、本堂にナンミョーと合掌。

ちょうどお蕎麦屋さんが出前を届けているところだった。
お食事時にご面倒をおかけするわけにはいかない。正午の時間帯の訪問も不躾である。
幸い、こちらも以前参拝した時にご尊体やご朱印ともに頂いていたので、独り静かに参拝をさせて頂いた。

日蓮宗・法華宗では、大黒天に並び、毘沙門天も割とよく見かける。神楽坂の毘沙門さまで知られる善國寺をはじめ、江戸の三毘沙門天はいずれも日蓮宗だったのを考えると、近世以降の日蓮宗系では結構人気のあった神様なのかもしれない。
また、由緒を漁師の網にかかった等の海中出現とするものも時々ある。

毘沙門天の神徳は、勇気授福。必勝開運の軍神とある。

こちらは三年前に参拝した時の毘沙門さん。

厨子に入った色鮮やかな木像だったのだが…

なんと、いつの間にか石像の毘沙門さんになっていた。

これはこれで、真新しくて凛々しいお姿だとは思うのだが、前任の毘沙門さんはどこへ行ったのか…
本堂内へご隠居されたのか、はたまた厨子ごと盗まれちゃったのか。
少々気になったのであった。
今回は昼時だったこともあり遠慮したが、また近くを通った折にでも聞いてみよう。

本堂前の“たこ地蔵”。

元プロボクサーでコメディアンだった、たこ八郎さんの慰霊の為、師匠の由利徹さん、漫画家の赤塚不二夫さんらが発起人となって建立されたもの。
顔や耳が故人に似せられた、珍しい地蔵さま。『笑っていいとも』に出ていた頃しか殆ど存じないが、後に片岡鶴太郎さん演じる伝記ドラマを観て色々と驚いた覚えがある。まあ、あれは鶴ちゃんの役作りに感動したのも大きいのだけど。
下谷七福神の案内チラシには赤塚氏の宝船イラストが載っているが、このお寺も同氏に何かゆかりがあるのだろうか。

絵馬。

京劇のようなギョロ目に力強い“勝運”の朱字。
誰のイラストなのかは分からないが、サインが入っている絵馬も珍しい。

法昌寺の道路向こうには、富士塚で有名な小野照崎神社がある。
あの『男はつらいよ』の寅さんで有名な渥美清さんも願掛けしたとか、寅さんの首から下がってるお守りは実は帝釈さまじゃなくてこの神社のだとか、色々話を耳にした事はあるが定かではない。
しかし、芸人好きな方は、たこ地蔵尊と併せてお参りするのも良いかもしれない。