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吉川霊華展

先日、初めて国立近代美術館に行ってきました。
分館の工芸館とか京橋のフィルムセンターは何度か足を運んでるのだけど、本館行ったのは今回が生まれて初めて。
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本館は1969年の建築だそう。いかにも60年代なデザインですね。
なんとなく科特隊本部を思い出してしまいました(笑)

ついでに竹橋駅で降りたのも初めて。
駅にはカッコ入りで(毎日新聞社前)てあったけど、ホントに社屋地下街に直結だった。
なんかシェルターみたい。
(そういや、皇居と某地下鉄駅が秘密の地下道でつながってると聞いたことあるけど、何駅なんでしょうねえ)
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あと竹橋門跡の石垣は、結構刻印が多かった。

ま、それはともかく、目的は、こちら『吉川霊華展 近代にうまれた線の探究者』でした。
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http://www.momat.go.jp/Honkan/kikkawa_reika/index.html#outline
吉川霊華の来歴、展示概要、出展リストなどは、上のサイトを見て頂くとして。
筆使い、特に女性の髪や衣装の文様など、絹糸のような線が織りなす繊細な描写に感嘆!
全景と細部の観覧を繰り返したので、退館した頃は目が凄く疲れていました(笑)

霊華は、鏑木清方らと同じく主に大正時代に活躍した日本画家ですが、結構マイナーな方かと思います。
(ちなみに、女性の名のようですが、“れいか”は雅号です)
描いていたのが、実在の女性や同時代の景色ではなく、和漢の古典物語や仏画が多かったのが一因でもあるよう。
まあ、西洋式美術が最上とされていた明治時代に、浮世絵・やまと絵の技法を身に付けたお方ですから、現在の美術史的にもアウトサイダーになってしまうのかな。

しかし、元旗本で儒学者だった家に生まれ育ち、和漢籍や書に通じたお方でしたので、これが江戸時代のままだったらもっとメジャーな存在になれたのかもしれません。
伝統的画法を用いた伝統的画題の作品、そうした最末期の結晶的な作品群という点では、西洋におけるアカデミック美術に似たような匂いを感じたのでありました。

そういう画家(と呼ばれるのを本人は嫌がっていたそうですが)なだけに、伝統的な方面からは絶大な信頼を得ていたようで、大作は寺社からの発注品が目立ちます。

入口ロビーに大きく飾られた『神龍』の図は、方廣寺大黒堂の天井画に使われたもの。
女性や菩薩像のような線の細い作品とは対照的な迫力でしたが、周囲の雲の濃淡などの細やかな描き込みはやはり霊華。
延暦寺蔵の最澄像も見事でした。
一番長く眺めちゃったのは、浅間大菩薩の絵。美しさと威厳・畏怖を見事に感じさせてくれるお姿。
それから、スケッチ類が結構な数で展示されてました。時代考証への細かな心配りがよく分かります。

実は、私が霊華を初めて知ったのも江島神社。
ある本で裸弁才天像の修復に関する文章を読んだのがきっかけでした。
(現在、同神社に安置・公開されている裸弁天様は、霊華らの監修によって修復されたもの)
この作者の作品、どんなのがあるんだろうと興味をもって検索しても、画像が見れるのは僅かな作品ばかり。
作品リストにある数々の絵がどんなものなのか、いつか見る機会があるかと願っていましたが、まさかこんな早く似叶うとは。

企画展も15年ぶりということで、相当混んでるかと心配していましたが、凄く空いていました(笑)
NHKの日曜美術館(アートシーンですが)で紹介された後だったので、心配もしていたのですが、実にじっくりとゆったりと堪能できました。
霊華の作品は、個人蔵の物がほとんど。
まとめて観覧できる機会は滅多にないのに、勿体ない!

図録は素晴らしいものがありましたが、グッズやポストカード類は一切なし。
マイナーゆえに売れ残りを危惧したのか、はたまた個人コレクションが為にグッズにできなかったのか。
『香具耶姫昇天(かぐやひめしょうてん)竹取物語』なんかは、ミニ掛け軸でもあれば七夕の頃に良さそうな感じでしたが。

万人向けではありませんが、滅多に見れない作品ばかりですので、興味ある方は是非!29日までです。

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