忠犬・たまの墓
開成町での歴史展示会のつづきを一つ。
絵図のほかに興味を抱いたのが、こちら「老犬・多摩の墓」実寸模型。
実物は、南足柄市の大松寺にある明治時代の墓碑。
裏面に由緒があり、その現代文が前に展示されていました。
その内容はこういうものでした。
明治11年、多摩郡の人が犬を連れて富士登山の帰路、大雄山最乗寺に参詣した。
しかし、犬が疲労して動けなくなってしまい、寺に預かってもらったという。
犬は寺の世話のかいあって元気になり、良い番犬を務めるようになった。
その後、無事主人のもとへ連れて帰されたが、再度お礼に主人が大雄山に参ると、住職から犬を褒められ、もし犬に子供があればもらい受けて飼いたいと申し出があった。
翌年3月、子犬は人に背負われ(主人か使用人かは不明)、馬に揺られてやってきた。
子犬は寺の衆に可愛がられ、中でもよく面倒を見ていた橘氏に懐くようになった。
同年、橘和尚が隠居するとその家に移り住み、よく番犬を務めたという。
しかし、明治21年11月、犬は病にかかってしまう。
和尚は獣医に見せて診察を乞うものの、今度は本人が病に倒れて帰らぬ人となってしまった。
犬は看病のかいなく、11月25日、主人の後を追うように亡くなったという。
犬は、忠犬ぶりを讃えられ、信忠と法名を授けられた。
「こんな事があったんですねー」
と展示の横にいた人に言うと、
「渋谷のハチ公よりも昔の話なんだよね」
犬と人との関わり合いの歴史の話も、全国から集めたら膨大な数になるんでしょうね。
南足柄市のたまの墓、そのうち訪問してみたいと思います。
| 固定リンク
「石仏・石塔など」カテゴリの記事
- 忠犬・たまの墓(2012.06.03)
- 井之頭池弁財天ご開帳(2013.04.14)
- 秋葉原でクラッと(2009.02.03)
- 七福神(その5)(2008.01.07)
- 根府川釈迦堂参詣(2006.04.08)
「歴史」カテゴリの記事
- 忠犬・たまの墓(2012.06.03)
- 2013下谷七福神めぐり(1)寿老神(2013.03.02)
- 宝金剛寺のお地蔵さん(2012.11.21)
- 手挽き蕎麦と椎の木森(2012.05.03)
「ホラー・不思議・神秘的」カテゴリの記事
- 忠犬・たまの墓(2012.06.03)
- 実話怪談 ~錦ヶ浦トンネル・その後~(2008.09.07)
- オランダ妻 死体遺棄事件(2008.09.06)
- 私もギリギリ幽霊画に間に合いました(笑)(2008.09.02)
- 実話怪談 ~錦ヶ浦トンネル~(2008.08.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント