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特別展「海賊 -室町・戦国時代の東京湾と横浜-」

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特別展「海賊 -室町・戦国時代の東京湾と横浜-」は、予想していた以上に展示が多く、また解説も親切な内容だった。
海賊の発祥から中世の東京湾、とくに横浜市域と八丈島支配、里見氏に関する資料は文書だけでなく、所伝品や考古遺物などもありなかなかバラエティに富んでいた。
八王子信松院の軍船模型も同寺で見たとき以来だが、付属の伝来資料(図画資料など)は初めての拝見。

失笑してしまったのは、里見氏がどこかの神社(鶴谷八幡宮?)を寄進造営した時の棟札の内容で、そこには主たる古河公方の武運長久を祈願する旨記されているが、ちゃっかり自分の名前の上に“副将軍”と書いてあったりした。
棟札の祈願文の内容に関してまでは、解説文が置かれていなかったので、どういう趣旨のものかは不明のままだが、意気が現れていて面白い。

できれば、港湾都市における海運と河川水運の引き継ぎや、寺社との係り合い、当時の海戦の実際などにも触れてくれれば、もう少し理解や興味も深まったと思う。
特に、海戦に関してはまだまだ陸戦ほど様子が明らかになっていないのかもしれないが、色々と比較資料を提示することでヒントには為し得たと思う。
その点では、海士役やかつぎ衆の方面も紹介することで、港町だけでなく、漁村など海浜の村の戦国時代を多角的に紹介することも面白そうではある。

とはいえ個人的には、自分にとって遠縁の一族にあたる久良岐郡富岡村の柳下豊後守の関係資料が実見できたのは感激モノであった。長昌寺の伝承は聞いていたものの、槍などが実際にまだ残っているとは思わなかった。

都合が合えばもう一度見に行きたい。

常設なども少し見てから、三ツ沢上町へ。
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ここには北条家臣・多目氏の菩提寺、豊顕寺がある。
その背後の山は江戸時代から桜で親しまれているということで、一度満開の頃に来て見たかった。
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実際行ってみると、それほど爛漫としてはいなかったのだが、静かな山裾の森にひらひらと花びらが散る景色は、横浜駅の近くとも思えぬほど穏やかなものだった。

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