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七福神(その2)

緑町駅の狭いホームを降りて、東海道線や新幹線のガードをくぐって進む。

2012_0331右手に少年院のコンクリート塀が沿います。
正門前に来ると、古風な(大正時代の築)洋風木舎。
ちょうど、職員の方が門前の丸型ポストに投函しているところでした。
収監されている若者達の年賀状でしょうか?
塀の中では麦飯だといいますが、お正月くらいはお雑煮を食べれると良いですね。

小田急の踏み切りを渡って、右手に高長院。
北村透谷のお墓やハクモクレンで有名なお寺ですが、北条氏綱の娘・崎姫(堀越六郎室)の菩提所でもあります。

ここまで来ると、道の突き当たりに大稲荷神社(だいなりじんじゃ)の表示。
二番目の巡拝地である、福泉寺・満願弁財天も同じ方角です。

弁天堂は、福泉寺の門外にある比較的新しいお堂です。
(平成4年に立て替えたのだそうです)
地元で昔から信仰を集めているのは、お隣の大稲荷さんで、小田原でも最大規模のお神輿が有名。
どちらも江戸時代は、福泉寺が別当をされていたところです。
けっこう前に聞いた話なのでうろ覚えですが、弁天堂が現在あるあたりに、大稲荷神社の元宮・田中稲荷があったのだとか。
しかし、幕末の城下絵図などを見ると、確かに福泉寺は今の弁天堂のあたりまであるのですが、田中稲荷はもっと緑町駅寄りの田んぼの中です。ということは、聞いた話は単なる勘違いか・・・。
ま、ともかく、このあたりは田んぼや湿地だったってことで、いいか(笑)。
宇賀神系の弁財天のご性格は、稲荷神と習合してのもののようですから、ご利益は同じでしょうし。

2012_0421その満願弁財天堂では、檀家の人達でしょうか、世話人の方々がテント張りで応対していました。
七福神だけでなく、単体での初詣客などもいるのでしょうね。
お堂の前の赤松が立派です。

堂内で御朱印を頂き、その間、本尊の弁財天さんを参拝・拝観させていただきました。
「立派な弁天さまでしょう~」
と、御朱印を押しながら年配の世話人さん。
確かにご立派な尊像です。
眷属たちも含めて彩色鮮やかなので、お堂と同じく新造なされたのかもしれません。
いわば、檀家の方々の努力で成り立ち、護持されてきたもの。
誇りでもあるのでしょうね。
熱いお志を感じました。

2012_0391こちらの弁財天は、琵琶をもったお姿ではなく、8本の手で法具などを持つ八臂(はっぴ)弁財天です。
眷属である十五童子を従え、頭上には鳥居(華表・かひょう)が。
人頭蛇体の宇賀神(うがのかみ)系の弁天さんで、弁“才”天ではなく、弁“財”天であるところからも、財宝招福のご利益が期待されているようです。

ところで、小田原で弁才天といえば、お城の曲輪(くるわ)や通りの名前(弁財天通り)にもなっている「蓮池辨財天が」有名です。
北条氏康が江ノ島弁才天を城内に勧請したとされ、軍勝や小田原城の守護を祈願したというもの。
もともと江ノ島弁才天と北条氏は縁深いですが、江戸時代も通じて城の守護として崇敬されました。
蓮池は埋められてしまいましたが、弁才天はひっそりと城址公園の北入口から横道に入ったところに今もお祀りされています。
以前は、小ぶりながらも朱の社殿と橋が印象的だったのですけど、不審火によって焼失してしまいました。中に収まっていた弁才天像もともに・・・。
2012_2521今では、琵琶を持った可愛らしい弁天さまの像が安置されていますが、やはりどこか哀愁を帯びております。

遠くから小田原の七福神めぐりをなさるならば、こちらもぜひ。
堀跡の雰囲気もまだよく残っていますよ。
私は、この日の七福神めぐりが終わった後、蓮池弁天さんにもお参りしてきました。

ただ、やはりどんなに由緒があっても、上の満願弁財天さんのように、現役で普通に運営(祭祀)されている霊場の方が安心して参拝できる感覚があります。
『御成敗式目』の「神は人の敬をもって威を増す」という言葉は、嘘ではないと思いますね。

駅にも近いので、私もこれから度々参拝させてもらおうかと思います。

2012_0451この後、もちろん大稲荷さんにも新年のご挨拶に参拝。
拝殿では巫女さんが御神楽を奏上しているところでした。

この周辺は、山向こうの城源寺さんのあたりも含めて、大森氏時代からの城館があったとも考えられてもいて、なかなか興味深い歴史が隠されていそうです。
大稲荷さんも、武田旧臣が甲州から持ってきたものだとか、大久保氏が遷したものだとか、由緒に説が分かれるようなのですけどね。
もしかして、大森氏までさかのぼったりして。
谷津地形の沢奥に古くから水神が祀られていてもおかしくないですし。

さて、大稲荷さんの尾根伝いにも、大黒天の蓮船寺に行けるのですが、そうすると寿老人の鳳巣院が遠回りになってしまうので、小田原駅西口方面に向かいます。

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