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遠州袋井訪問

昨日11日、静岡県は袋井市の大叔父宅へ家族並びに伯母と祖母とで行ってまいりました。
実は先日一周忌が過ぎた祖父は、ここへ行こうと出発の支度をしている時に倒れたのでして。(母方)祖母の実家でもある大叔父の家に、祖父の御霊も一緒に連れ立って訪問したのでした。

本当を言うと、前々日から風邪気味で遠出する気分ではなかったのだけれど、実に三十年ぶりの大叔父の家。次はいつになるか分かったものではないので、葛根湯とハチミツやらプロポリスやらをかっ込んで出発したのであります。

それにしても、東名高速沿いには城跡が多く接しています。
いつも西上するときは専ら夜間走行なので、意識しないのですが、昼だとよく分かります。
大井松田ICから入れば、まず松田城。次に山北の河村新城。
駿東に入れば、裾野の千福城も。東海道沿いでは、蒲原城と用舟城などが見えました。防音壁(防風?)が無ければ、もっと色々と見えるはず。

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小田原を午前9時半に出て、袋井に着いたのが11時半頃。
まず大叔父の車と合流して、祖母の実家の墓参に。
私や父にとっては縁遠い寺ではありますが、私が3歳か4歳の時に一度、袋井の曾祖母に会っています。昔ながらの農家造りの家で、又従姉妹にあたる子ども達と大きな縁側で遊んだ記憶が。ですが、それよりも、帰り際に暗い土間の玄関で、曾祖母が私の誕生祝にお小遣いを沢山くれた事がより鮮明であったりも。
ともかく、私個人としては、その曾祖母の墓参という気分でしょうか。

そのお寺である海蔵寺でお参りして、大叔父の家で昼食。
内心期待していたのですが、やっぱり鰻!
祖母が食べきれない分も含めて美味しく頂きました。

食事時、旅行の話しか何かから大叔父が結構な歴史好きと感じた自分。食後、さりげなく、「久野城ってここから歩いてどのくらいですか?」と聞くと。
「ちょっと歩きじゃ遠いな。じゃ、車で連れてってあげるよ」と嬉しい答えが。
実は久野城も東名から見える城跡のひとつでして、以前から興味あったのです。
ヒマそうにしていた母と伯母も同行することになりましたが、その後、ついでにと「遠州三山」の一つ油山寺にも連れて行ってもらい、予期せぬ観光三昧となったのでした。

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久野城は城マニア向けなので詳細は省きますが(笑)、今川氏が遠州攻略に取り立てたもので、以後、徳川・豊臣の時代を経て、江戸前期に廃城になったもの。現在の遺構は、豊臣系城郭の時代に修造された姿で、結構な土木工事はこの時に行なわれた模様。ただし、石垣は使用されなかったようです。
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最近は毎年のように、発掘調査が継続されているようで、大叔父からも現地見学会の資料など頂きました。
祖母も、戦前にこの山で遊んだりもしたようですが、彼女いわく「何も無いよ」。
でも、本やネットで調べた話しなどを聞かせると、「あの(城址の)古井戸は姫が身投げしたとかいう話しで恐かった」と(何かあるじゃんか!)。
現在の城跡は、一帯がそっくり市に買い上げられ、見学しやすいようになっています。桜樹もいくつかあったので、10日ほど前に来れば花見が楽しめたかも。

ちなみに、最初に行った海蔵寺も城館伝承地の一つです。
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開基の今川了俊に発する遠州今川氏系の城館の一つであったらしく(墓地に了俊の追善墓碑があります)、現状の立地からもそれは伺えます。祖母や大叔父の話では、城跡伝承地の裏山は殆ど削られてしまったようです。今でも山内の弁天池後方の盛土が土塁のように見えますが、これが昔の地形の削り残しなのか、遺構なのかは分かりません。
大叔父によれば、離れた所にも土塁状の地形があったようですが、今は無いとの事。察するに、消滅した小山と現在の寺域を中心に、小規模ながら複数の中世城館遺構が点在していたのではないでしょうか。まあ、地籍図など見ていないのでなんとも言い難いのではありますが。

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油山寺(真言宗智山派)はもとは湯山寺の意らしく、山中から湧く鉱泉(ホウ酸成分があるようです)が眼病に効くとの霊験が昔から有名です。
一方で、山内の建築物に文化財が多いことでも名高く、桃山時代の三名塔に数えられる三重塔や、今川義元の供養に寄進されたと言う奥の院の本尊厨子、掛川城の大手門を移築した山門、横須賀城城主が寄進した旧城御殿の書院、浅羽の代官所を移築した方丈など、歴史建築が好きな人にも必見のお寺かと。
お薬師さんのお寺ということでしょうか、本坊の屋根は瑠璃色の亙で印象的でした。

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興味深かったのは、奥の院で本尊のお薬師さん隣に祀られている「軍善坊大権現」。山の守護神にして足腰の神さまとの事。
お名前や御利益から察するに、役行者さんに似た感じの神さまのように思いましたが、本堂外に白山堂がありましたので、やはり昔の偉大な先達さんなのかもしれません。
近所で言えば、大雄山最乗寺の道了大権現(大薩捶)に似た御性格の神さまでしょうかね。
自然林が良く残る山内なので、そんな昔の雰囲気も感じさせてくれる静かな古刹です。

しかし、袋井あたりは暖かいですね。
この日は日中21℃くらいで、小田原とは5度以上も違いました。果物や野菜が良く育つわけです。
すれ違う人々も心なしか朗らか。
気候が土地の人情を育てるというのは、あながち的を得ているのかも。

帰りには名産のメロンと干し芋を頂き、何だかあっという間に小田原に着きました。

そして再び風邪気味に。
城跡や寺では元気に走り回っていたのに・・。
回復どころか、帰宅してどっと疲れも出た感じで、今日は大事をとって終日自宅でダラダラしておりました。

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