秋の文化財行事
先月あたりから文化財行事がいろいろ行なわれています。小田原市でも今週から始まりますが、そのほかに近隣のメジャーなところをピックアップしてみました。中世関連のものばかりですが、行楽の参考になれば幸いです。
○特別公開・展示など
◆早雲寺「寺宝と襖絵」特別公開
内容: 国重文の北条早雲像・氏綱像・氏康像を中心に、北条五代画像(土佐光起筆)、方丈襖絵などの特別公開。
場所:早雲寺(神奈川県足柄下郡箱根町湯本4―5)
交通:小田急線・箱根登山線 箱根湯本駅から徒歩15分、または駅から箱根登山バス畑宿経由元箱根港行き「早雲公園」下車
開催:11月4日(金)~6日(日) 9:00~16:00
拝観料:500円(茶室拝観は別途500円)
◆建長寺・円覚寺 宝物風入れ、(円覚寺)舎利殿公開
内容: 寺収蔵の文化財を、虫干しを兼ねて展示。円覚寺舎利殿(国宝)の正面外観の公開。今年は4日間の公開。
場所:建長寺(鎌倉市山ノ内8)、円覚寺(鎌倉市山ノ内409)
交通:JR横須賀線 北鎌倉駅より徒歩
開催:11月3日(木)~6日(日) 9:00~16:00
拝観料:ともに特別拝観料として500円(一般入場料、建長寺300円・円覚寺200円が別途必要)
◆臨済寺の一般公開
内容: 今川氏の時代から知られ、徳川家康が幼少のとき文武を学んだ臨済寺(りんざいじ)の一般公開(毎年春秋の2日間のみ)。国重文の本堂、国名勝の庭園、県指定有形文化財の数々を公開。今川氏輝・義元・太原雪斎の像や今川・武田・徳川各氏の文書などもある。墓域には今川氏輝、雪斎、中村一氏の墓がある。
場所:臨済寺 (静岡市葵区大岩町7-1)
交通:JR東海道線 静岡駅から安東循環線水落町廻りバス15分・臨済寺前下車
開催:11月5日(土)・6日(日)10:00~16:00
拝観料:300円(志納金として)
◆宝金剛寺の一般公開
内容: 多くの文化財を所蔵する小田原市東部の古刹、宝金剛寺。戦国時代には「国府津の護摩堂」として北条氏の厚い保護を受けた寺の宝物などを公開。本尊の地蔵菩薩立像は藤原時代の作(県重文)。寺宝の銅造大日如来坐像(国重文)、不動明王および二童子立像(県重文)は鎌倉時代の優作。
場所:宝金剛寺(小田原市国府津2038)
交通:JR東海道線 国府津駅から徒歩、もしくは富士急バス下曽我駅行き「岡石橋」下車
開催:11月19日(土)・20日(日) 10:00~15:00
拝観無料(問い合わせ 小田原市教育委員会 生涯学習部 文化財課 電話0465-33-1717)
◆石神井城址主郭の特別公開
内容: 武蔵野三大湧水池の一つ、かつては石神井川源流だった三宝寺池。その南側台地の石神井城跡は、中世にこのあたりを支配していた豊島氏の城跡。太田道灌により1477年に落城したが、主郭と考えられる部分には、土塁や堀がよく残されている。現在は遺構保護のため、主郭への一般立ち入りは制限されている。
場所:都立石神井公園内(石神井台1丁目)
交通:西武池袋線 石神井公園駅下車 徒歩10分
開催:11月3日(木)~13日(日) 9:30~16:30
◆江川邸中庭の公開
内容: 毎年紅葉の時期に限定開催される、江川邸中庭の特別公開。
場所:江川邸(静岡県伊豆の国市韮山韮山1、電話055-940-2200)
交通:伊豆箱根鉄道 韮山駅より徒歩20分
開催:11月26(土)~12月4日(日) 9:30~15:30(開館は9:00から、水曜休館)
入場料:300円(一般料金で見学可)
◆かながわの遺跡展・巡回展「武家の古都・鎌倉-発掘された中世の世界」
内容: 今年度は鎌倉を中心としつつ、県内各地の資料と対比して、中世前期に焦点を当てた展示。
場所:①鎌倉生涯学習センター ②鎌倉芸術館 ③秦野市立桜土手古墳展示館
開催:①11月13日(日)まで ②11月16日(水)~27日(日)※24日(木)は休館 ③12月1日(日)~18日(日)※5日(月)・12日(月)は休館 (いずれも9:00~17:00の公開)
入場無料(問い合わせ(財)かながわ考古学財団資料活用課・電話045-252-8661)
◆江戸城を建てる ―重文甲良家の図面を読む
内容: 都立図書館・都公文書館・江戸東京博物館の3機関による共同開催で、昨年に続いて2回目。今回は、都立中央図書館が所蔵する国重文「江戸城造営関係資料(甲良家-こうらけ-伝来)」の修復完了を記念して、江戸城建築図面類を中心に展示。江戸幕府の大棟梁職を代々勤めた甲良家に伝わったもの。これらの図面類を縦糸に、錦絵や大型模型、江戸の町触、幕府目付の文書、明治初年の写真や公文書など、多彩な資料を横糸にして、江戸城を再現する。展示予定、「御本丸御玄関遠侍建地割五十分ノ一」「江戸御城御殿守横面之図」「江戸城大広間立体模型」(縮尺約1/40、昭和女子大学所蔵)など。
場所:東京都立中央図書館 4階 多目的ホール(東京都港区南麻布5-7-13 有栖川宮記念公園内、電話03-3442-8451)
交通:営団地下鉄日比谷線 広尾駅より徒歩8分
開催:11月19日(土)まで 10:00~17:00 ※11月10日(木)は休館日
※ 期間中、13・19日の15:30~16:00に係員による展示解説あり。入場無料
◆鉢形城歴史館 秋季企画展「戦国の装い ―伊澤コレクションを中心に―」
内容: 甲冑研究家で収集家でもある伊澤昭二氏のコレクションの一部と、寄居町内の平泉家に伝わる具足など17点の展示。北条鱗紋付きの黒漆塗十二間筋兜や、小田原北条家の備具足とされる黒漆塗二枚仏胴(古紙を幾重にも漆で塗り固めたもの)など。
場所:鉢形城歴史館(寄居町大字鉢形2496番地2、電話048-586-0315)
交通:JR八高線・秩父鉄道線・東武東上線寄居駅下車 徒歩約25分、もしくは東秩父村営バス寄居駅発・和紙の里行き「木持停留所」下車 徒歩5分
開催:11月23日(水)まで 9:30~16:30(月曜・祝日の翌日は休館)
入館料:200円
◆佐野市開市記念・第44回企画展「佐野の歩み―佐野地方の古代から中世へ―」
内容: 奈良時代の「安蘇郡の成立」から、平安時代の「佐野庄の成立」、そして鎌倉時代から戦国時代までの「佐野氏」とその一族の栄枯盛衰を概観し、佐野地方の古代から中世までの歴史を紹介する。おもな展示資料に「佐野昌綱画像」「佐野昌綱書状」「佐野(北条)氏忠朱印状」など。
場所:佐野市郷土博物館 企画展示室(佐野市大橋町2047、電話0283-22-5111)
交通:JR両毛線・東武佐野線 佐野駅下車徒歩20分
開催: 11月27日(日)まで 9:00~16:30(月曜・祝日休館)
入場料:210円
◆第33回特別展政令指定都市移行記念「黄金の谷の輝き~『安部の金山』の歴史と伝承~」
内容: 静岡の山間地域が「安部金山(あべのかなやま)」として輝いていた歴史を振り返り、金山の果たした歴史的意義を考える。主な展示資料として、古文書、絵図、砂金採り道具、金鉱石、など約200点
場所:静岡市立登呂博物館(静岡市登呂五丁目10-5、電話054-285-0476)
交通:JR静岡駅から登呂線バス20分・登呂遺跡下車
開催:11月30日(木)まで(開館9:00~16:30、毎月曜・祝日の翌日休み)
入場料:300円(特別展料金)
◆掛川考古展 「城」―高天神城・横須賀城・掛川城―
内容: 掛川市(今年4月に旧掛川市・旧大東町・旧大須賀町が合併)にある高天神城跡・横須賀城跡・掛川城跡、3つの城跡の沿革・特徴について、出土遺物や調査時の写真などを展示・紹介する。
場所:大日本報徳社淡山翁記念報徳図書館 2階 (掛川市掛川1176)
交通:JR東海道線 掛川駅から徒歩10分
開催:11月13日(日)まで 10:00~16:00 会期中は7日が休館日
入場無料(問い合わせ:掛川市教育委員会 教育文化課 文化財係 電話0537-21-1158)
◆小展示「伊豆山出土の中世土器」と「奥州藤原氏の遺宝―中尊寺経の公開―」
内容: 伊豆山地区(古美道遺跡・寺山遺跡)から出土した資料のほか、伊豆山と関連が深い「史跡北条氏邸跡」(伊豆の国市)、「箱根神社境内」(箱根町)から出土した「伊豆の白色かわらけ」を展示。また、「しずおか文化財ウィーク」協賛事業として静岡県指定文化財「紺紙金銀字交書仏説無所希望経」を展示する。
場所:熱海市伊豆山郷土資料館(熱海市伊豆山708-2 伊豆山神社境内、電話0557-80-4252)
交通:JR東海道線 熱海駅より 伊豆山神社線バス約10分「伊豆山神社前」下車
開催:「伊豆山出土の中世土器」12月頃中頃まで
「奥州藤原氏の遺宝―中尊寺経の公開―」11月13日(日)まで 開館 9:00~16:00(15:30締切)月曜・祝日の翌日休館
入館料:150円
(問い合わせ:教育委員会事務局 生涯学習課 社会教育係 電話0557-86-6572)
○講演・発表会など
◆平成17年度小田原市遺跡調査発表会
内容: 大規模な障子堀が発掘され話題となった小田原城三の丸元蔵堀など、平成16年度に実施された発掘調査について、スライド等を使用して成果を発表する。
場所:市立かもめ図書館 視聴覚ホール(小田原市南鴨宮1-5-30、電話0465-49-7800)
交通:JR東海道線 鴨宮駅南口下車徒歩10分
開催:11月6日(日)10:30~16:45(開場10:00)
入場無料・予約不要(先着180名)
※ 併せて、かもめ図書館集会室で「最新出土品展2005」(11月13日迄 9:00~17:00)
内容:平成16年度に発掘調査された遺跡の出土遺物を速報として展示。
(問い合わせ 小田原市教育委員会 生涯学習部 文化財課 電話0465-33-1717)
◆菊川城館遺跡群国指定記念シンポジウム・陶磁器から見る静岡県の中世社会 ~東でも西でもない~
内容: 2日間にわたり「静岡県産陶器からみた様相」「各地の中世遺跡の様相」をテーマに発表会を開催。
※ シンポジウム聴講の申し込みはすでに終了しましたが、横地氏城館遺跡群・元島遺跡・小川城跡・今川館・北条氏邸跡などの遺物(陶磁器類)展示が会期中行なわれます。事前にお問い合わせ下さい。
場所:菊川市中央公民館(菊川市下平川1647、電話0537-73-1130)
交通:JR東海道線菊川駅より御前崎方面静鉄バス「平田」下車 徒歩5分
開催:11月12日(土) 12:00~17:00、11月13日(日) 9:00~16:00
(詳細は、菊川市遺跡調査事務所・塚本和弘氏 電話0537-36-3694、FAX36-3727)
◆秦野市制50周年記念事業「歴史浪漫・波多野氏物語」関係行事
「東田原中丸遺跡の調査報告」ほかシンポジウムなど
内容: 東田原中丸遺跡で発見された中世の遺構と遺物について写真等により報告。また、同遺跡周辺の整備・活用構想についてなど。
場所:秦野市文化会館 小ホール(秦野市平沢82、電話0463-81-1211)
交通:小田急線秦野駅もしくは渋沢駅からバス・文化会館前下車
開催:11月19日(土)12:00~16:00
入場無料・申し込み不要
※併せて同館展示室にて、文化財資料展「波多野氏と実朝」(17日~23日、10:00~16:00)
内容: 波多野氏や源実朝にゆかりの錦絵、『保元物語』や『平治物語』などの書籍、系図や東田原中丸遺跡の発掘調査で出土した中国製磁器やかわらけ等を展示。
※大ホールでは「中世の食体験」(限定300食、19日 11:30~12:30のみ)を実施。
(プログラム詳細は秦野市教委・生涯学習課文化財班、電話0463-87-9581まで)
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