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映画・姑獲鳥の夏を

・・18日月曜日に観てきた。一応、観に行く前にネットで感想など見ていたが、自分自身で観て、再確認するところも確かに幾つか(笑)。

全部が嫌だったわけではないが、「これだったらテレビ作品で作っても良かったのでは?」というのが正直なところ。照明やレンズの遊びが古臭いというか、「今どきこんな撮り方しなくても」というのが多かった。まあ、実相寺昭雄監督(なぜかメトロン星人のイメージが強い・・)の持ち味というのだろうけど、昔のように個性やインパクトを感じるものはあまりなかった。むしろ、チーム・オクヤマあたりに作らせた方が今風のレトロ・ミステリーな作品を作れたのではないだろうか。昭和戦後の雰囲気を出す演出もイマイチ。戦後東京の「日陰」を描くなら、対比的に急速な復興東京の喧騒などを「日向」として描くとか、当時のラジオ音声や新聞で同時代の世相&流行をさりげなく印象つけておくのもあった方が良かったのではないか。夏のジットリ感もあまり無し。ともかく演出と一部俳優の演技にリアリティを感じられなかったので、映画の半ばまでは、ほぼ全く物語に入り込めなかった。まあ、原作は読んでいるので、聞いていなくても大筋はつかめたので良かったが、全く知らずに観た人は果たしてどこまで楽しめたのだろうか。

後半にはようやく自分の頭もこの映画の空気に馴染めてきたので、役者のセリフも耳に入るようになった。京極堂の「憑きもの落とし」から最後までは自分のイメージしていた感じにも近いところはあった。主要な配役のイメージもなんとか許せる範囲内だ。堤氏が演じた京極堂はかなり難しい役どころだったようだが、これも後半にはなんとか受け入れることができた。

気になったのは、この続編(つまり京極ミステリの続編)を制作する意図がこの時点であるのだろうかということ。今回の本編ではさして重要ではないはずの人物・菅野や箱根・仙石楼(劇中のマップによれば浅間山付近のようだ)のイラストなどが出てくるところをみると、そんな期待を抱かずにはいられない。できれば神奈川県が舞台となる2作目~4作目くらいまでは映画化してくれると良いのだが。でも、監督はその度に変えてもらう方がいいかもしれない。この手のミステリ映画では、私は1977年の『八つ墓村』が一番好きなのだが、97年『ユメノ銀河』の石井聡亙監督とか、95年『人でなしの恋』の松浦雅子監督などはどうだろうか。この手の物語は事件の謎解きに至るひねりも重要だけど、映像化するにあたっては全体の雰囲気設定が絶対に欠かせない。ノスタルジックな映像美&音楽と目の覚めるような論理的クライマックスによる次回作を期待したい。ただ、主要キャラの配役は変えないで欲しいと思う。作品とともに俳優の中の役が成長して欲しいので。

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